Tsunami Times
Sonicmasterの奇跡
いよいよSonicmaster MM-4600SDの2023年のリリースが間近です。今週中には本体が入荷しそう。その後、エンブレムにパーミングガード、それからサムレストを組み付けて、箱入れ、そして出荷となる予定。
YouTubeではそれに先駆けて、元木自身がSonicmasterの品番の由来やディテール、思い入れなんかを語っているのでよろしければそれもご覧あれ。
ちなみに今手元には現物がなく画像は公開出来ないのだけれど、カラーはタバコサンバースト(TSB)の1カラーのみです。以前のモデルとは若干ディティールが異なります。例えばハンドルノブは五十鈴のフラット樹脂ノブのカラーをアンバーに別注したスペシャル仕様、ハンドル側キャスコンとカバーナットは完全オリジナル、パーミングガードのカラーは赤みを帯びたものに、エンブレムのカラーは真鍮っぽいものへ変更・・・といった具合。細かい部分でも以前よりかなり凝ったものになる予定です。
細かなニュアンスの再現性とコストカット、それからいくらかは自社工房で手をかけたいという希望から、以前のTSBのモデルと同様、サイドカップはTsunami Luresの工房で塗装しています。塗装のクオリティに関してはほぼ限界まで取り組みました。ソリッドのカラーならばタッチアップも可能なのだけれど、ベースのアルミのメタリックを活かすステイン塗料による塗装ではそれが出来ないので、よくよく見ると角度によっては小さな擦れ跡やほこり等の混入物もわずかながら見えるはず。
他のオリジナルパーツに関しても、いくつかの信用のおける外注先、五十鈴工業、そしてTsunami Lures元木の間でいろいろと難しいやりとりあり。それはもうある種丁々発止と言っても言っていいような・・・。いつものことなのだけれど、この数ヶ月というもの、カラーリングも含めその点に関してはかなり神経をすり減らしてきました。最終的な仕上がりには心配していないではないのだけれど、そこはそれ、やれることはやったわけだから腹を括って待っているところ。
そんなわけでカラーリングにしろオリジナルパーツにしろ、ルアーと同じくそれはどうあろうと現時点でのTsunami Luresのベストであると思っています。Tsunami Luresについて理解してもらえるユーザーならば、たとえそれがネガティブな要素だったとしても、唯一無二の味とポジティブに捉えてくれるはず。例えば小さなほこりにもうちの工房の空気と浪漫を感じてくれるような、そんな人向け。
大変心苦しいのだけれど、値段は仕入れ価格の高騰により以前のモデルよりかなりUPします。そのこともあれば、いつもより台数が多い(とは言え、少ないには違いないのだけれど)こともあって、これが果たして売れるのかどうか、緊張感がピークに達している今日この頃です。
それにしても夢の夢に過ぎなかった、オリジナルリールと言うこんなにも素敵かつ高価なものを一介のルアービルダーが扱うことが出来るなんて、いろいろな偶然が重なり合った末の奇跡の産物に他ならないと、発売以来14年もの歳月を経て改めて実感中。進化をやめて立ち止まり、そしてローテクに叡智を結集させた、国内、いや世界で最高峰のリールメーカー五十鈴リールが、異端のブランドTsunami Luresとコラボレーションしてお贈りする、馬鹿馬鹿しくも素敵極まりないプロダクツにどうかご注目を。
リリース時期はおそらく4月末から5月上旬、ご予約を一定期間受け付けて、その後出荷となる予定。ご予約は一部の取扱店、トライアル、当オンラインストアにて。ご予約数が予定数を超えた場合には抽選となります。
追記。ブログを書き上げてひと段落ついたら、コルトレーンのこのアルバムが流れていることに気づいた。1961年のNYはヴィレッジヴァンガードにおける彼のライブを記録したもの。当時のその場の空気の振動を今もって再現出来るということを幸せに感じる。そして音楽もまた奇跡に次ぐ奇跡の産物であることを実感させてくれる作品。
23/04/17