Tsunami Times

  • Electric Mud

     マディ・ウォーターズが’68に発表したElectoric Mudというちょっとおかしなアルバムがある。俺の場合はマイルズのバンドにも参加していたピート・コージーと言うギタリストが気になって、これを知ることになった。マイルズによるとなんとジミヘンもこの人の追っかけをしていたのだとか。

     それはさておき、この作品、この人が参加しているということもあり、ひどく変わったものになっているし、勘違いとでも言うべき空気が渦巻いていることが素晴らしく面白い。ブルースそのものといってもいいであろう大御所マディともあろう人が、当時世の中を席巻していたであろうサイケデリックなブルースロックに思わず寄ってしまったに違いなく、その結果どっちともつかない妙なものが出来上がってしまっている。そんなわけでブルースファンにもロックファンにもひどく不評だったことが窺い知れる。しかし、当時はどうだかわからないけれど、今となってはそれをして「とってもいい」と思う俺のような人だっているはず。

     まるでそのピート・コージーのファズギターの歪み具合よろしく、その歪んだ世界は恐ろしく気持ちがいい。ある種潔い。そんなわけで決して王道でないこのマディのアルバムが俺は好きだ。この歳になったからこそ好きだと言えるのかもしれない。これを十代や二十代で聴いていたなら果たして心から「好き」と言えたかどうか・・・。

     そんな偉大なると言っても良い潔い勘違いのようなものは、ある種、Sonicmasterに通じないでもないと思うのは俺だけか。この妙ちきりんマディを十代や二十代で理解出来ないように、このいかれた洒落(Sonicmaster)はガキには理解出来まい、そう思う。ただ、理解出来る大人もそうはいないだろうと思ってもいた。

     しかし、蓋を開けてみると、これをわかる大人が今もなおこんなに大勢いることに少し驚いている。リリース以来十数年となる右ハンドルが、値段も相当上がってしまったにもかかわらず、なおもこんなに反響があったことは嬉しい驚きだったのだけれど、それにも増して左がこんなに欲されているとは思いもよらなかった。というわけで左ハンドルも予約好調、というか、抽選も視野に入れないといけない勢い。ご予約いただいているマッドな方々には心から感謝します。

     Sonicmaster MM-4600SD Left Handle Tsunami Lures 25th Anniversary Model(ジミヘン生誕 80周年モデル)のご予約は明日6/11(日)をもって締め切りです。ご予約は各ディーラー、当オンラインストアにてどうぞ。

     ところで、今日は実は9/23のTsunami Jamboreeに向けてのバンドの最初のリハーサル。メンツは三十数年ぶりに一緒に演ることになる旧友のナカシマ(Bass)とこれまたもう三十年あまりの付き合いのキシ(Drum)。スタジオに入って演るのはとにかく久しぶりで、とても楽しみにしていたリハだったのに、直前の昨日の朝にキャベツの千切りを作る際、ピーラーで左手の薬指の先を切ってしまい、満足にチョーキングが出来なくなって、少々へこんでしまったのは余談です。そんなこともあったし、そもそもブランクがあって今日のところはおっさんたちのリハビリのような体だったけれど、本番当日はElectoric Mud以上の勘違い満載で挑むので、万が一見に来てくれる人はどうか覚悟していてちょうだい。

     記念すべき今年のジャンボリーバンドにはナカシマとキシ以外にも手練れを誘ってみようと思っています。

     そんなこんなでリールのこと他いろいろと忙しいけれど、次のルアーも準備中。

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