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  • 相模湖の長い一日

    23/07/24 ミリメーター松澤 / Slapphappy Shad Mini DP, CoKirin

    先日は相模湖に行ってまいりました。

    今シーズンは相模湖、特にその上流部に的を絞って釣りをしておりますが、これまでのところほぼ毎回魚を掛けることはできてもボート際でのバラシを延々連発しており釣り上げるに至らず…
    下流では以前からそれなりに釣っており最近では昨月にも1匹釣っているので、今回はもう下流のボート屋さんにしようかななどと少し弱気になっていた釣行前夜でした。
    そんな時に元木さんよりご連絡あり、昨日の相模湖でSlapphappy shad mini DPで50UPが釣れてる情報ありとのこと。
    そこで元木さんのSlaphappy mini DPによる相模湖上流でのバイトや淀川の60UPなどをにわかに思い出し、それなら明日はSlapphappy shad mini DPメインでやはり上流にチャレンジしてみようということで
    気持ちは定まったのでした。

    その朝の相模湖は少し肌寒いくらいに涼しく、非常に気持ちの良い気候でした。
    いつも通り慌ただしい桟橋にて準備を終え、湖を眺めつつ待つことしばし。
    五時となりスタート、まずはボート屋さん対岸にある橋の下にある小さなワンドに向かいました。
    ここはほぼ終日シェードとなっているため夏は良いかなと思ったのですが、しかし水面は濁って泡も浮いており水はあまりよろしくありません。
    やや残念に感じながらもワンドの奥、泡の中にさっそくSlaphappy mini DPを投入、前夜に施したハイアピールチューンの具合を確かめつつ
    ゆっくりリールを巻いていると突然水面下から白い影が走り、ルアーが引き込まれました。
    いきなりのバイトに驚きつつファイト、さほど大きくない魚であることがわかりましたが、前回までは小さいから抜き上げてしまおうとした瞬間にバレてしまっていたので
    今回はネットを使おうかな..と一瞬迷った隙にジャンプ一発、またもバラシてしまったのでした。
    しばし呆然、そして反省…しかしこれは活性が高いというサインと受け止めることにして気を取り直し、一気に上流ある大曲がりというエリアを目指すことにしました。

    大曲がりとはその名のとおり、川というか湖が大きくカーブするエリアで魚影が濃く、元木さんが相模湖にお越しの際にも多数のチェイスがあった場所です。
    現地に到着すると反転流が発生して水が動いており何だか良い感じ、しかし風が吹き始めてボートは流され釣りづらく、そこで風と流れが当たっている岬の裏側にある岩盤エリアを釣ることにしました。
    その岩盤にはところどころ植物が生えており満水の湖面に被さっておりますが、その葉っぱは割とすっきりした形状でルアーに絡みづらい感じであったので、その中にルアーを投げ込んでいきました。
    当初はSlaphappy mini DPを投げていたのですが植物のもっと奥にルアーを送り込みたくなり、そこで重さのあるウッドのスラップハッピーシャッドJに交換しました。
    こちらを葉っぱの奥の奥に投げ込みしばしのポース、ルアーが見えないままに竿先を少しあおり葉に絡んでいないことを確認し巻きはじめた瞬間、手元に強い衝撃が走りました。
    とっさにリールを巻くと生き物の感触、岸際の水中にはその姿がひらめき、かなり大きな魚であることがわかりました。
    激しい抵抗を受けながら魚をボート際まで寄せてネットに手を伸ばした瞬間、一気に真下に潜られて竿は絞りこまれ何もできない感じです。
    大きな魚がかかり興奮しつつもこりゃ参ったということでひたすら引きに耐えていると、突然フッと竿が軽くなりました。
    …バレたか、やはり、と落胆しつつリールを巻くと、なんとラインの先にはルアーもスナップもありません。
    やっと掛けた大物に対して痛恨のラインブレイクを喫したことを脳が認識するまでに数秒…我に帰ると、無念さ残念さを感じると同時に魚に申し訳ない気持ちで一杯となりました。
    そしてバラしの連続は止まるどころか内容としてもエスカレートしていることを感じて何だか心がへこんでしまったため、少し休憩して気持ちを入れ替えることにしました。

    岸際にボートを寄せて水分を補給、そしてスマートフォンを確認すると元木さんよりメッセージあり。
    「またバラシております、さらにラインブレイクで大切なルアーも失い、魚にも申し訳なく…」などと情けない返信を作成しているまさにその時、
    なんとボートの真横にある冠水した枝の中で魚がボイルするではありませんか。
    そこでスマートフォンをそっと置き、傍らのSlapphappy shad mini DPが付いたSUKIYAKIを手にとりそのまま枝のすき間にルアーを落としました。
    ルアーは竿先から約20cmくらい、水面は狭くアクションもできないので以前に釣りビジョンで見かけた8トラップなる技を見よう見まねで何となく。
    安易な思い付きのこれで釣れる訳ないよな~と思いつつ下手な八の字を描いていると魚がどこからか突然現れルアーに突進、直後に手応えあり。
    見れば二つのフックはがっちりとフッキングしており、魚は水面に折り重なった枝の中で激しく暴れています。
    至近距離に魚、しかし枝は結構入り組んでおり手を伸ばすも届かず、そして痛く、そこで枝をかいくぐってネットを差し向けたところ何とか魚に届き、無事にランディングできました。
    釣れた?のは43cmくらいの立派なブラックバス、自分には一生無縁と思っていた8トラップで偶然に釣れてしまいうれしい反面、狐につままれた気分とはまさに、の心境でした。
    急いで撮影して魚に感謝しつつリリース、しばらくして少し落ち着くと、何であれ長らく続いていたバラしの連続からやっと脱したことを実感できました。
    そして、このようにひねりの効いたかたちで相模湖上流の初バスを釣り上げることになるとは…釣りとは本当に面白く、そして不思議なものだなと改めて感じたのでした。

    こうなってくると今度はやはり普通の釣り方で釣りたくなり、引き続きSlapphappy shad mini DPを投げることにしました。
    先ほど枝の中で釣れたので近い状況のポイントを探しつつボートを進めると、岩盤の手前に先ほどよりはややこしくない枝ぶりの水没樹木を発見しました。
    そこで斜めに張り出した枝を越える感じで樹木の向こうにある岩盤に向けてキャスト、着水、これでもし釣れたら枝が邪魔で取り込めないだろうな~などと思いつつリトリーブすると、何と魚が出てしまいました。
    反射的にリールを巻くとフッキングの感触、しかし寄せてくると予想通り枝にラインがかかってしまい、魚は宙吊りとなってしまっています。
    これは、外れるな…と半ばあきらめつつエレキを操作して魚に近づこうとしたその時、枝から魚が外れて水面に落ちました。
    幸いルアーは外れておらずそこからファイト、やはりボート際で真下に潜れらましたが先ほどの魚ほどの重さはなく、竿の弾力でいなしていると程なく魚を浮かせることができました。
    すかさずネットでランディング、釣れたのは38cmほどの非常に元気なブラックバスでした。
    暴れる魚に水をかけて濡らしながら何とか撮影、感謝とともにリリース…二匹目は普通に釣れて良かった~という安堵と喜びの気持ちに包まれたのでした。

    その後はさらに風が強くなり、流されて行きついた深いハングの奥にブラインドで投げた旧型コキリンで小バスを1匹追加、合計3匹を釣ったところで終了としました。

    ボート屋さんに戻る途中にはラインブレイクで逃した魚がルアーを外してくれてそれが浮いていないかな…などとわずかな期待とともにそのポイントを通ってみました。
    が、もちろんルアーがあるはずもなく。
    魚から無事にルアーが外れることを祈りつつ、今後は自分のためにも、魚のためにも、ラインやその結び目の状態にはしかと注意しなければならぬという反省とともに桟橋に戻ったのでした。

    上記の顛末でした。
    今回はこれまで今一つピンときておらず釣ったこともなかったSlapphappy shad mini DPで念願の相模湖上流の初バスを釣ることができ、そしてデジャブの如きバラシの連続から脱することができ、本当にありがたいことでした。
    次回も引き続き、相模湖上流に挑みたいと思っております。
    例により長々と、失礼いたしました。
    ありがとうございました。

    「相模湖の長い一日」への1件のフィードバック

    1. Masami Motoki より:

      久しぶりのエッセイが届きました。長い!しかし今回も全文掲載。それだけの想いがあり、そして伝えたいことがあるということです。

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