Tsunami Times
VibrotoneとSlapphappy
いよいよVibrotone Tandemが、そして同時に2月にご予約を受け付けたSlapphappy Shad DB – High Appealが出荷となる。
そのVibrotone Tandemの原型(?)と言ってもいい、トップウォータープラッガーには馴染みのないスピナーベイト、これがその昔は結構好きだった。当時は自作もしていたくらい。よく釣れるし、使っていて面白いルアーなので。そんなわけでいつかこれをトップウォータプラグに一味違う形でアレンジしてみたいと思っていた。その結果が、MongolianシリーズやこのVibrotoneシリーズなんである。
トップにアレンジした利点の一つは止めることが出来るということと、点で誘うことが出来るということ。スピナーベイトにはこれは無理ですから。さらには、表層をトレース出来ること。これは利点にも弱点にもなりはするけれど、表層にこれほど簡単にぶら下がるスピナーベイトっていうのは存在しないし、これほどゆっくり引けるスピナーベイトもどこにもないから、このへんを有効に活用すべきではある。
ところで、Vibrotone Tandem(ヴァイブロトーン・タンデム)とVibrotoneの違いは?って疑問は、すでにVibrotoneを持っている人には当然だと思う。これが同じようで同じでないのですよ。
Vibrotoneはフラップが発するカチカチとしたノイズが一つの特徴。また、点で誘う際のダイブがタンデムより得意。その時ボディ自体がひらひらとダートしやすい。
一方タンデムは、リトリーブの際の引き波と言うのか、水流がかなりユニーク。こういうのはおそらく他に例を見ないと思う。もちろんフラッシングはシングルよりアピールがある。ダイブはシングルほど得意ではないけれど、その分2枚のフラップがゆらゆらする様はもちろんアトラクティブではある。そもそもワイヤーを介してフラップが水中にぶら下がっているので、より深くアピール出来るということもあるでしょう。
風が吹いたらスピナーベイト、なんていうけれど、シングル、タンデムともに前のめりの姿勢で、水中にフラップがぶら下がっていることの利点は風に強いこと。水面が多少荒れていようが、水中に向けてアピールできてしまう。ことにタンデムの方はそれが顕著。水面にウィードが繁茂しているとか、ゴミ溜まりがあるとか、そんな状況もこれらプラグには有利となる。水中から見たゴミ溜まりに例えば2枚のフラップがぶら下がっているところをイメージするとわかりやすいと思う。
そしてSlapphappy Shad DB – High Appeal。これは元木自身の新基軸となりそうな、というかすでにそうなりつつあるプラグ。
そもそもSlapphappyシリーズはその登場以来、何を隠そう元木の釣りにおいての基軸となっている。なぜか?それは単純にこれが非常によく釣れるから。最近ではことにSlapphappy Shad J、それにBeaver、そしてShad Mini DP、これらは間違いなくルアーローテーションの真ん中にある。(琵琶湖で釣ったロクマル4本のうち、実に3本はこのシリーズ。ちなみにもう1本はSweepy J DP。津波ルアーズでロクマルに最も近いのはこれらのプラグだと思っている)これらに反応がなければその他のプラグを試す、あるいは他のプラグにも反応がない場合は最終的にこれらスラップハッピーシリーズを使い倒すのが津波ルアーズ的セオリーだ。そのあたりのことを書き始めると長くなるのでまた今度。ま、しかし、これはいつかまとめてお話ししたいと思っていたので、近いうちに。
さて、そこに新しく割って入った(と言うか、これもSlapphappyシリーズではあるのだけれど)のが、ただ単にフラップもプロップも両方付けてしまっただけのSlapphappy Shad Mini DP – High Appealだった。これが凄いのだ実は。それはなんだか突然で、このところ浮き沈みが激しく、少々不調のホーム=琵琶湖には救世主のように降って湧いた存在だった。あくまで個人的にということではあるのだけれど。
それを少し大きめのボディで、そしてプロップもフラップも大きくしたのが今回リリースのSlapphappy Shad DB – High Appeal。求めるアクションは高浮力プラスチックボディのSlapphappy Shad Mini DP – High Appealと同じなので、ここはあえてボディに比較的比重の安定した硬質発泡ウレタンをチョイスし、少々強度は落ちるものの、その比重をぎりぎりまで上げてある。最初はウッドでテストしたのだけれど、重いパーツを背負うこともあり、アユースのしかも比重の軽いものでないとアクションに満足出来なかったから、自ずと選択肢は樹脂になったということ。
テスト中から実際の釣りにすでにローテーション入りしてしまっているし、今後これを超えるものが出ない限りはそこに居座る存在になるはず。ま、大して巷で話題にならないこのプラグなのだけれど、そんなことは意に介さず。やがてこれら二つのHigh Appealは間違いなく釣果も自然とついて来ることになるでしょう。
そう言うわけで、釣りを組み立てる上でメインとなりえる存在がSlapphappyシリーズ、それで出ない魚をVibrotoneシリーズ他で狙うと言うのが元木のだいたいのやり方。とは言え、補完する存在としてのVibrotoneシリーズは、シチュエーションによっては強力過ぎるキャラクターとなりえると言うことを付け加えておこう。
Vibrotone Tandem、そしてSlapphappy Shad DB – High Appealともに、月曜あたりにはお店に届けられる予定。前代未聞の同時リリースとなりました。果たして一番乗りは、いつものあいつなのか、それとも・・・いやはや楽しみ。
19/04/13