Tsunami Times
Toussaint & Ribot
今日のバックグラウンドミュージックはこの2枚につきた。昨日紹介したアラン・トゥーサンのアルバムの次作で、これが遺作となってしまったAmerican Tunesと、昨日も紹介したマーク・リボウのSilent Movies。
昨日ののBright Mississippiも相当いいのだけれど、この遺作も甲乙つけがたい。オリジナルは2曲しかやっていないし、ピアノ演奏が中心のごくシンプルなアレンジにも関わらず、これが全編アラン父さんに溢れているのだ。
ニューオリンズ風味のビル・エヴァンズの名曲Waltz for Debbyなんてもう珠玉。名曲Southern Nightsに至っては無論感涙。そしてラストで父さん自身が歌うポール・サイモンのカバーはぼくらを天国に誘う。
前作に続いてジョー・ヘンリーのプロデュース仕事があまりにもうまくいき過ぎの感あり。それにしても、図らずもこうして最期を飾れたのは、父さんにとっても我々にとっても幸せだったのではないかとさえ思う。
マーク・リボウのいぶし銀が光るのがこのアルバム。今までは(皮腹氏曰く)マーくん(ちなみに小さくなった椅子をいとこのマーくんに譲るという内容の曲が、Eテレで放映されているのだけれど、これがなかなかどうして寂しい曲で、うちの息子はこれを見るとちょっと涙ぐむのです)のソロギター作品には実を言うとあまり食指が伸びなかったのだけれど、これはどうやら別格だ。ビル・エヴァンズまでとは言わないが、相変わらずのマーくん節が、ひときわリリカルだとさえ思える。適当に見せかけたその裏にあるほんまもんの凄みが垣間見えて、改めてこの人の懐の深さを思い知った。
いずれも万人に受けるとは思えないが、でも少しでも音楽をかじっているのなら、その渋さに納得していただけるはず。歳を重ねるって決して無駄ではないと思えるのだ。社会に虐げられるおっさんに知恵と勇気を与え、そして大いに励まし癒す2作品ではある。
さて、またまた前置きは長くなりましたが、Sonic Ribotは本日より各ディーラーおよび当オンラインストアにてご予約開始。
10年ぶり3度目、その都度マイナーチェンジを経たともなると、Toussaint & Ribotばりにますます渋さに磨きがかかるSonic Ribotではないかと思う。二十数年にしてたった3度目のリリースをどうかお見逃しなく。
毎回レギュラーカラーを凌ぐ人気のHEADZ × Johnny Ace × Tsunami Luresの3者コラボは、スミスウィック社のラトリンログ、クラウンカラー。オールドに全く詳しくない元木ではあるものの、このJohnny Aceのアプローチは見事だと思っているのだけれど、はてさていかがでしょう?
実はたまたま先日のフィシングショーのスミスのブースでこのカラーを見る機会があり、ほう、これなのか、とひとり感心していたのでした。というわけでオールドかと思っていたら、現行のカラーにもこれがあるようだ。
HEADZには恒例の一点物サンプルリミテッドカラーもあり。
そしてこちらは惜しまれつつ去年休止となったpesca depot別注のステインボーダー。オンラインストアとコラボという形で限定復活。つまりはpesca depotとうちのオンラインストアにてご予約受付および販売ということです。
そもそもその昔、Borderというレギュラーカラーが存在したのをご存知の方はもう少ないのかも。Sonic Ribotの1stでもそのBorderを見ることが出来る。
当時これを気に入ってくれていた真太朗は、やがてショップオーナーとなってこのカラーを別注することになる。ただし、彼のアイデアは、そのまま復刻するのではなく、ソリッドカラーだったこれを木目を生かしたステインにすること。
ちなみにこのBorderは明滅とかフラッシングとかいうルアーフィッシング上の理論にも実は準拠している。一般にフラッシングとしてわかりやすいのはキラキラ光るシルバーやゴールドやパールなのだけれど、ストライプあるいはボーダー柄にもそう言う要素がある。目の前を流れるルアーが縞々だった場合、ミニマムな視点ではカラーが次々に入れ替わる。これを明滅と捉えることも出来るというわけ。
こいつの塗装にあたっては、一つ一つに2mmのマスキングテープをランダムに巻く。(その作業は元木の仕事)そしてさらにマスキングしながら、3色のステインの塗料を乗せる。ステインの調色は難しく、さらには吹く量によって濃さが変わるので、全部が全部同じような色味にはならない。(これは例えばTSBでも同じ。)ということは、二つとして同じものはないということ。Sonic Ribotのご予約は3/8(日)まで。出荷は3/10(火)の予定。
20/02/29