Tsunami Times

  • Sweephonic Borracho

     一昨日は七色ダムでFishing Safariの撮影だったので、前の晩は息子と一緒に21時頃には就寝。東北の地震のことは朝の3時前に起きて知った。あまり情報がないまま、なにやら妙な不安を抱えつつ七色へと向かう。電波が不安定でほぼ入らないのでいろいろと判明したのは帰りの道中だった。

     11年前のあの時も無事を確認して涙したこともあり、地震と聞いて思い出したのはメキシコへ何度か一緒に行ったヤマという男のこと。結構古いうちのお客さんである。そんなわけで今朝は彼にLINEを入れた。無事を聞いて一安心。しかし昨夜も余震らしき地震があったみたいですね。未だ予断を許さない。

     それはそうと、その後、彼とちょっとしたやりとりを続けていたら次の新作ルアーの話題になった。この前のFishing Safariにも登場したそいつのアクションの映像を見ながら、名前を考えてくれたのだと言う。

    「スウィーフォニック・ボラチョ!
    ボラチョborrachoはスペイン語で酔っぱらい
    動画見てて、ただ巻きの時は千鳥足のようなフラフラしている感じや、キックバックがドリフ酔っ払いコントにありそうな「しゃっくり」のヒックって言っているように見えたので勝手に命名してみました」

     これ、いいんじゃないの?しっかりアクションにハマってる。インスタを観た人ならわかると思うけど、Sweephonic Cigar SpinnnerのダーターヴァージョンであるからしてSweephonicはキープすることは決めていて、その後に続くネーミングについて考えあぐねていた元木には渡りに船。英語(そもそもSweephonicは造語なのだけれど)とスペイン語のちゃんぽんもいつもミクスチャーなTsunami Luresだから問題なし。

    「元木さんはタバコ吸わないのにシガー、酒を飲まないのに酔っ払い。なんか面白いですよね」

     その通り、タバコはとうの昔にやめてしまったし、元々下戸の元木なのにそのネーミング?ていうあたりもなるほど面白い。

     と言うわけで意外とあっさり決まってしまった。このタイミングで彼と連絡を取ったと言うのも何かの縁だ。Sweephonic Borracho(スウィーフォニック・ボラチョ)・・・なかなかいい響きである。

     只今鋭意製作中で、これからカラーリングを決めようかというところ。4月上旬あたりにはリリース出来るでしょうか。Sweephonic Borrachoをどうかどうかお楽しみに。

     ちなみに次のFishing Safariではこのプラグについての思い入れみたいなものとか、スタンダードに関するごく主観的な考えなんかを語ったりもします。「スタンダードなダーターは作らないですか」というような、もう10年以上も前のユーザーの問いかけに元木なりに応える形でようやくリリースするダーターなんです、実はこれ。

     それに類するユーザーからの問いかけみたいなのは幾度となくあったにせよ、ここまでストレートなのはそれまではなく、それはなんだか唐突に文字通り元木の頭を直撃し、そして揺さぶったというわけだ。「スタンダード」という言葉の意味についてはクリエーターの端くれとして一家言なくはない元木なので、これについてはいろいろと考え込んでしまった。そうしてその時作ったのがこのSweephonic Borrachoのシェイプにほぼ近いものだった。ただ、リリースには至らず。

     それはあまり面白いとは当時思えなかったし、うちがリリースするダーターとしてはそのスタンダードに寄り過ぎている嫌いがあったから。Augustにくじらフェ、ワンペロ・・・、ご存知のようにうちのダーターに類するプラグはいわゆるスタンダードにはほど遠いのがほとんど。ダーターに限らず、もちろんそこは意識していて、大げさに言うとそれがTsunami Luresのアイデンティティで存在意義だとも思っている。

     今回シェイプし直してみて、そしてパーツを吟味することで、主観的にはSweephonic Borrachoはオーソドックスとイノベイティブのバランスが上手く取れたというような気がする。要するにつまりはようやく吹っ切れたということだろうと思う。

     決して意識したわけではないのに、それがプランキングバサースプークがスミス50周年を記念して復刻リリースされたタイミングと重なったというのは、なんだかそれも因縁めいていないではないですね。ちょっと恐れ多いけど。ちなみに年が明けていつだったかになんとなく買っておきたい衝動に駆られて、久しぶりに買ったトップウォータープラグがそのプランキングバサースプーク。Sweephonic Borrachoはこれのパクりと言えばパクりなのだけれど、ただのパクりではない代物に仕上げたつもり。

     さて、そして今回の撮影について。こうなってくるともう溜めておくわけにもいかないので先に告白しておくと、今回もNBNF(ナイスバイト・ナイスフィッシュでは決してありません)でした。今回こそはと意気込んでいたし、暖かくなった上に大潮なら魚は間違いなく動いていると確信もしていたし、実際に動いてもいたから、これはもう残念至極。

     先週はシャローに一尾のバスも見かけなかったにもかかわらず、今回は思っていた場所のほとんどで姿を見ることが出来た。しかも小さいのからロクマルクラスまでかなりの数をである。目に見えて季節は進行している。しかし、いっこうに口を使ってくれないバスに閉口、そして完敗というところ。

     考えてみれば往復に6時間ほどかけて、現地では朝の6時から夕方5時まで昼食は挟むものの、ほぼ10時間ほどは釣りをしての結果にしては酷と言えば酷。しかもそれは一度きりではなく何度となくですから。それでも釣りに行くという心理は一体なんなのか?

     「季節の移り変わりを感じられるってのは釣人の特権ですよね」とはカメラマンの登石君。そう、悔しいながらもそんな季節の趣は十分に味わった。しかし、結果も求めたい。そんな風に結果だけが釣りではなく、過程そのものも釣りではあるし、周辺を彩るモノや時間そのものも釣りの一部であり、もはや釣り自体が逆に生活の一部、つまりはライフスタイルではあるにしても。

     NBNFだろうが、それをいかにして観せるのかというのはそもそものテーマなのだけれど、12月の撮影以来こうもボウズ編が続くとそろそろ観てもらっている方にも飽きられてしまいそう。

     撮影の帰りの3時間の道中はカメラマンの登石君とそのことについていろいろとアイデアを出し合った。「今回の編集が今までで最も難しいものになりそう」とは彼の弁。とは言え、そこは腕の見せ所でもあるし、今後のFishing Safariの行末を占うものにもなるかも。さて、一体どんなものになるのか、乞うご期待と言っておきましょう。

一覧へ戻る