Tsunami Times
Sonic Cigar
プロダクツページなんかにも書いたように、Sonic Cigarは思い入れのあるプラグである。なのになぜ11年もの間リリースがなかったか?
Tsunami Luresが売るにはどうするか?ということをいろいろと試行錯誤するうち、新作を出すということにここ数年は答えを見出そうとしてきた。戦略というよりは、必然的にそうなっていったというのが偽らざるところではある。悔しいけれどもうちに限ってはこういうプラグだと昔ほどには売り上げが見込めないというのがその主な理由。その実それが新作だったところで、この頃はそう変わっているとも思えないのだけれど。創業20年超のブランドのあがきがそこにある。
しかし、そうするうちにヒットも出れば、それがうちのスタンダードということにもなるのかなあとも思っていた。その考えは今もさほど変わっているわけではないのだけれど、でも、ま、天才ではないので、ネタも尽きれば、しんどくもなる。それに元木自身思い入れのあるプラグをリリースしないと言うのも実に寂しい。
「思い入れ」とはすなわち創業20年超のブランドならではの時を経て熟成されたプライドというべきものでもある。
というわけで去年来、Tsunami Lures Classicとして往年のいくつかのプラグをリリースしていて、このSonic Cigarもその一貫で、おそらくはこれがおおとりになると思う。プラグ自体もそうだけれど、このTsunami Lures Classicに共通のカラーラインナップにもプライドは宿る。TSBなんて、それこそ20年も塗っているわけで、俺が死ぬか、Tsunami Luresがなくならない限りは、何人たりともこの年数を追い越すことは出来ないのだ。
Sonic Cigarには良い思い出しかない。メキシコで手にした3本の10lbは全てこのプラグによるもの。うち1本は60cmで12lbのフットボールで、それは元木のウェイトレコード(長さのレコードは琵琶湖の65cm / ルアーはSlapphappy Beaver)だ。2007年にリリースしたDVDにはこれを中核にして挑んだ日本のフィールドでの記録がある。なにしろこれで魚を釣ることは楽しいし、釣れると嬉しくなってしまう。Sonic Cigarはそういうプラグ。
実を言うと、製作数はぐっと抑えてある。そしてよっぽどの待望論が聞こえてこない限りは、しばらくはリリースはないと思う。
そんなプラグに別注していただいたのはY・Style。久しぶりの別注はお得意の波柄。かつてはよくやりましよね。この柄を収集してくれた人もいたはず。これはうちのオンラインストアでもご予約いただけます。
そしてもちろんHEADZ。恒例のHEADZ × Johnny Ace × Tsunami Luresは、シガーだけにMarlboroパロディです。シンプルな形状だけにアロウヘッドがよく似合う。
そしてもう1店舗はRotton。これがまだ出来上がっておりません。自宅待機中だったジョニー・ヨシイが久しぶりに出勤して只今コーティング中。パターンは例のアレです。
力作のムービーも再度載せておきましょう。駐車場が閉鎖中の淀川へカミオカと出かけて、EOS 80DとGoProで撮影し、そして元木が編集したもの。力作です。
ところで、先頃リリースのNiva DPの売れ行きが好調。例えばPlugger’s Carrying Boxみたいな一気に売り切れ(オンラインストア分も在庫僅少、売り切れ直前)というような勢いではないのだけれど、うちのオンラインストアではポツポツと止まることなく売れ続けております。
トップ党に載せていただいたことなんかもあるのだけれど、おそらくはSNSなんかでの口コミの力が大きいのではないかと思っているところ。これは皆様に感謝。引き続きこいつをSNSに露出していただけるようお願いします。
インスタ上のNiva DPフォトコンも継続中。これは釣果を競うものではなく、アイデアとお洒落と粋とユニークを競うもの。Niva DPを入れて写真を撮る、そして#nivadpとタグを付ける、ただそれだけ。最終的に元木か3点選び、再度インスタ上で人気投票するつもりです。締め切りは未定。おそらく次のNiva Rant DPのリリースまでが有力です。
今朝は最近発見したニール・ヤングのライブを聴きながら事務所へ。長尺の演奏が多いのは彼とクレイジーホースのライブではあるけれど、これはそのクレイジーホースとではないにもかかわらず長尺。一曲目から18分もある。
リズム隊はなんとジム・ケルトナーにダックダンで、そこからこの長尺は想像しがたいが、考えてみればこの人たちだってニールとの付き合いは長く、そのあたりは十分に心得ているはず。ニールのパッションに同調して炸裂するクレイジーホースとは一味違うけれども、やっぱりこの二人って凄いと思う。特にジム・ケルトナー。ニールが好んで彼を用いる理由はここにあるんでしょう。
ハイライトはクリッシー・ハインドが登場するAll Along The Watchtower。ジミヘンもカバーしたボブ・ディランの曲。余談ながらジミヘンのカバーをして、ディランは「この曲の権利の半分くらいはヘンドリックスのもの」、「これが公式の完成版」などと絶賛している。このニールのカバーもそれに迫る熱演で、ジミヘンもニールも好きな元木には堪えられないのです。いったいどうして今までこのアルバムを知らなかったのだろう。
長尺の演奏というと、テレヴィジョンのライブも負けていない。マーキームーンなんて必聴だ。この曲はスタジオヴァージョンも10分とそこそこ長いが、ライブは14分と輪をかけて長い。
両者ともに要はギターソロと呼ばれる部分がこれでもかというくらいに長い。聴いているとなんだか言い知れない熱のようなものが内からこみ上げる。そうでなければ意味はないのだけれど。そう、そこにはなにかしらの意味があるのだ。
以前、ニール・ヤングのライブを大阪城ホールに観に行った際、終わって余韻に浸りつつ歩く俺の側で、「良かったけど、ギターソロが長過ぎるよな」と誰かがいうのを聞いたことがあるのだけれど、なんでやねん?と突っ込みたくなった。それじゃなにもわかっていないんじゃないの?ってことだ。
それと同じような感覚でわかる人にはわかるプロダクツっていうのが俺の理想ではある。決してわかりやすくはないけれど、そうそう、そうなのよねって、わかる人だけが膝を叩く。ルアーももちろんそういう風に作りたいとずっと思っているのだけれど、さて・・・。
20/05/14