Tsunami Times

  • Big August Moon

     残念なお知らせを。あれだけ周到に準備してきた2月のAugustのリリースが3月頭に溢れてしまうことになりました。ん〜残念、と思っているのは俺だけかもしれないけれど。

     ま、ひとつには普段の作業に比べてイレギュラーなことが多かった。なんてったってひとつひとつ元木がリシェイプしたんだから。それを今度はリグ穴を開け直し、そして防水処理と。しかし、ここまではまだ順調だった。その後のホロシート貼りは、Tsunami Luresにはあまりない作業で、これが結構な時間を食った。さらには、今回から少しコーティングを厚めにしてみたり。いたしかたないですね。

     ホロを貼ってあるのはFH-MGにALG、それにPO。もちろん、ホロを貼った以外のもかなりの労作。それにFH-MGとNC、それからBAは新色だ。SKL以外はこのプラグの特徴であるフラッシングを考慮に入れたカラーリングと言っていいと思う。ホロを貼っていなくとも、NCはレインボーラメベース、BAはパールホワイトとゴールドスケールがベースですから。SKLも言ってみればフラッシングを逆手に取っていると言えばそうだし、それにグロウでもあるわけだから、そうすると全てはフラッシングに配慮していると言っていいのかも。

     そんな労作の予約が今日より。締め切りは28日なのでオーダーだけはかろうじて2月に納まりました。

     12年に一度、それも2月にリリースされると噂の8月という名のプラグがいよいよ予約開始。

    August

    オーガスト

    Body Length : 101 mm 

    Weight : 1 OZ Over Class

    Material : Basswood

    Urethane Finish

    with

    Pick Flap

    Original Surface Rig

    Dos Cactus #1/0

    Color

    Flower Head Mint Green [FH-MG]

    Neat Crow [NC]

    Alligator [ALG]

    Boa [BA]

    Psyche Oikawa [PO]

    SKULL [SKL] Glow 

    Price : 7,700 YEN (+TAX)

     2月の空と8月の空がもしも同じであったなら、憂鬱な2月も少しは陽気に過ごせるのに、と個人的には思うのだ・・・なんてことを書いて、August(8月)という名のダーターを2月の寒空にリリースしたのが12年前。そのまんまほったらかしというのでは浮かばれないという思いを、ようやく解放してやることが出来る、12年目の同じく2月です。

     いわゆるダーターに肝要なのはダイブした時のダートとフラッシュで、それを分かりやすく体現したのがこのAugust。それはつまりTsunami Luresのスタンダードということで、だからこそ再考には時間を要したということにしておきましょう。

     大幅にリファインしたのは、在庫していた旧型のブランクを元木自らひとつひとつシェイプしたそのフォルム。旧型の野暮ったさも悪くはないけれど、モデイファイされたそれは2021年の元木も納得のいくフォルムになった。

     意識したのは12年前も今回も面である。面が多いということは、それだけフラッシングが起こりやすくなるということであり、波を打つ上下左右の面は単純なフラットサイドとは違う複雑な反射を作り出す。またそれは特異な振動であったり、見る角度による形状の複雑な変化をももたらす。

     喫水を抑えて斜め浮きに設定したのは、ジャーク&ダイブをより弱い入力で実現するため。旧型では結構な勢いでジャークしなくてはならなかったダイブがこれによってかなりイージーになった。繊細なアクションにもステディに反応する。

     加えてお尻のピックフラップは、アクションにもフラッシュにもプラスαの影響を及ぼす。ウォブルに安定性をもたらし、積極的にアクションをコントロールする役割を担う。もちろんそれ自体がフラッシングも起こす。

     アクションにはちょっとしたシークレットがある。トウィッチしてダイブさせたら、すかさずサブサーフェイスでさらにトウィッチをくれてやる。水中でターンあるいはスライドさせるようなイメージ。魚が横からこれをひったくるのは浮き上がる瞬間だ。

     Augustという曲はないかとMacのライブラリーを検索してみたら、ありました。Big August Moonはデヴィッド・イダルゴとルーイ・ペレスのアルバムに収録の曲。これはロスロボス好きなら知っているそのスピンオフ的ユニット。伝説のラテンプレイボーイズにも匹敵するものの、しかしそれよりはちょっとリラックスした雰囲気のある秀作。これが2009年作なら、Augustと同じという偶然なのだけれど、2010年作だから残念ながらこっちが1年ほど後ではある。

     歌詞については不明だけれど、それにしてもタイトルは真夏の熱帯夜に浮かぶでっかい満月を容易に想像させる。そんな大潮の日にAugustをダイブさせたら、満月のようなビッグママがこれを襲うってなことがないだろうか。

     そうそう、今回のオンラインリミテッドは少々渋めにTSBです。ただし、ホロを貼ってあるので通常のTSBとは一味違う。

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