Tsunami Times

  • Amberの誘惑

    ペンコに別注のストレージコンテナと日本のメーカーに別注をかけたボックスのサンプル

     アンバーというカラーにどうやら元木は執着があるようだ。

     長年愛用している’73のストラトは、そもそもナチュラルなのだけれど、塗装が焼けてしまってまさに琥珀色である。これは30年以上も前に買った当時からそうだった。数年前に買ったジャガーはタバコサンバーストで、これだってほとんどアンバーのよう。もう20年も前からこのカラーはルアーに(それどころかリールにまで)塗ってきたわけで、こじつければ元木のアンバー歴も長い。そうそう、イレクターズで買ったコールマンもグローブがいわゆるアンバーである。

     アンバーって、まるで人を優しく包むランタンやろうそく、それに焚き火の灯りのようだ。だからだろうか、この色には不思議な魅力があるらしい。

    ’73 Fender Stratocaster

     進行中のボックスの企画が2つあって、どちらもそのアンバーが基調になっている。そもそももしも樹脂製のタックルボックスを作ることが出来るなら、最初のカラーはアンバーを基調にすると決めていた。

     ただし、いずれもうちのようなガレージメーカーには二の足を踏むようなロットがネック。プラスチック製のルアーを作るのだって同じことだからもちろんわかってはいたけれどこれがかなり辛い。当たり前だけれど、数が売れないことには投資の回収さえままならず、つまりは赤字にさえなりかねないわけで、ここには相当の思い切りが必要。少なくとも俺にとっては。

    ’71 Coleman 200A

     それでもペンコの方は既に進行中。もう一つの方は夏以来打ち合わせを重ね、ようやく先日サンプルが上がったところ。国内に自社工場を持つメーカーへの別注で、しかも単価は決して高くない。それに上がってきたサンプルは想像していたよりもすこぶる出来が良い。しかしもうひとつ決めかねているのが現状。巨大な在庫(あくまでうちにとってはということですが)という問題もある。一気に売れるならそれも問題にはならないのだけれど。

    2012 Fender Jaguar

     予価はペンコ・ストレージコンテナが現状のレギュラーカラーと同じく¥2,100(税抜)、もう一方はコスト自体が確定ではないので、だいたい3千数百円というところか。インスタとfacebookにも画像が上がっているので、欲しいと思ったら「いいね」で応援を。コメント大歓迎。ただ「ここをこうして欲しい」なんていうご意見に対しては、おそらくままならないことが多いと思われます。微妙に色を変えて欲しいとか、根本的に色を変えて欲しいとか、形をこうして欲しいだとかはまず難しい。おいおい詳細画像も載せてみようかなと思っています。

     それから取っ手部分のウッド調は確定ではなく保留です。ウッド調の部分をどこかに作るというのもまた元木の念願ではありはするのだけれど、これだけで手間がまるで違い、かなりコストに跳ね返ってくるものがあるから。

     ちなみにこれはあくまでウッド調であることが肝心。本物の木ではなくあえてウッド調の素材を貼ることが樹脂ボックス的チープ感を生む。本物の木を使ったものではなくて、その後70年代や80年代にコストダウンが図られてウッドフェイクの塩ビシートで代用されることになる家具調のTVやラジオやステレオ、あるいはカセットテープを収納しておくプラスチックケース(?!)なんかがイメージ。もちろんヴィンテージのタックルボックスにも散見出来るのだけれど。

     いやはや保留のオプション部分について、熱く書いてしまうというのもなんだかね。

     とにかく、昨今の景気を鑑みても、Niva DPのリリースにこれらボックスのリリース(未だ決定ではないですが)を含め、冗談ではなく、津波ルアーズの存続をかけたといっても大げさではない企画が待ち受ける2020になりそうだ。戦いは続く。

     さて、週末だったかトップ党が届いた。この表裏に渡る見事な表紙の絵は、もちろん八百板さんによるもの。あとがきにもパリコレ工藤氏も書いているけれど、これは彼が今号の記事にもなっているうちのイベント=Tsunami Jamboreeで受けたインパクトと、彼自身のキャンプ&フィッシングの心象風景を八百板さんに伝えた結果生まれたものなのだそうだ。(そう言えば、絵の中のテントはうちのミネルバに見えなくもない)そんな経緯で雑誌の表紙が、しかも八百板さんの絵が出来上がっているなんて、これは俺にとってもなかなか素敵なこと。

     中身の記事にもTsunami Jamboreeのことや元木のことがが写真とともによく書かれていて、これはもう買っておくべし。雑誌の記事にはいつも(というほど記事になっているわけでもないけれど)難癖をつけて修正させてしまう元木なのだけれど、これには一切の文句を言いませんでした。悔しいけれど、やっぱり彼の文章は嫌いではない元木なのである。

    岡島と息子の総助

     そうそう、先日出荷のSonicmaster MM-4600SD 5thSwing Geckoはあなたのお手元に届いたでしょうか?

     写真は岡島という人と彼の息子とSonicmaster MM-4600SD 5th TSB。実に微笑ましい。

     岡島は大学生の時代、なんと津波ルアーズに研修に来たことがあるという希少な体験を持つ男。それで単位が認められたのだから大したもの(?)ではある。その岡島に今年待望の長男が生まれ、それを記念して生まれ年に製造されたリールを息子にプレゼントしたいと思い立っての購入なのだそう。

     ま、全くもって親父のわがままなこだわりに過ぎないのだけれど、(おそらくは経済的理由で)反対していた奥さんをも説き伏せたというから、その熱意もうちに研修に来た時と同じく大したもんだと思う。そういうこだわりはしかし素敵である。そんな人の手元にうちのプロダクツが渡るということはとても嬉しいことだ。

     そんなプラッガーの傍にこれからも寄り添っていることが出来るのなら元木は幸せなのである。

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