Tsunami Times

  • 魂のルアー

     昨日の話しの続き。昔話っていうのは鬱陶しがられるおっさんの第一歩という向きもあろうがお構いなく。スポーツ&フィッシング・ニュースという雑誌の当該記事を、今日の雨で林業関係の仕事が休みのマニア谷口が暇つぶしに見つけて来たのでそのまま載せてみる。

     推測するにこれはおおよそ13年前の2006年あたりの記事だろうか。

     1位に輝いたのはソニック・シガー。使い方の解説がかなり的確だ。そうそう、このプラグではレイク・エル・サルトで60cm=12lbという、まさにフットボールなビッグママを釣った。これは未だに俺の重さにおけるレコードである。

     彼の記憶違いで第二位はマイティ・アロウ。言わずもがなの伝家の宝刀。ちなみに「伝家の宝刀」と言い出したのはおそらく彼ではなかったか。

     そして近日リリースのソニック・ホーンは第三位。これ読むと絶対使ってみたくなるから、俺よりも彼の方が説得力があるよね。いかがでしょう?うだるような暑さの真夏の夕方、岬や岩盤、それからダムサイトのブイで使ってみては。もんどりうって出るランカーの姿が目に見えるようじゃないですか?

     第四位はソニック・バード。彼らしい渋いチョイス。こいつは初めてのメキシコはレイク・エル・サルト遠征を収めた「バモノス」という映像作品の中の半ば伝説と化している、あの岩盤水しぶきバイトのそのルアーである。フックアップさえしていないし、ファイトもしていないそのバイトのみが、あの映像を見た人の中で未だに語り継がれているわけで、考えてみればそれって凄いことだと今さらながら思うのだ。

     俺自身も忘れていたけれど、これらポッパーは、ソニック・バード、ソニック・ホーン、ソニック・シガーの順に立て続けに出されたもののよう。それらはいずれもメキシコでの経験が生きたポッパー。その経験たるや圧倒的で、そいつが俺の中に残した熱量は計り知れず、それがルアーを作る上でどれほどのモチベーションになったかをそこから垣間見ることが出来る。

     この記事は、マイティアロウを含むこれらのルアーが、俺自身にとっても初期の、いや今に至るまでの「魂のルアー」であることを改めて思い出させるのでありました。

     ちなみに第五位はクレイジー・クローラー。津波ルアーズ以外のルアーも入れて欲しいという編集長の要請を受けてのランクイン。「こんなもので魚が釣れるのか」という疑問が衝撃に変わる時、それがルアーフィッシングに、あるいはトップウォータープラッギングにのめり込むきっかけであるのは俺も同じく。そしてそれこそが俺を今の今までプラグづくりに駆り立てているものだ。

    当たり前だけど若いね、俺

     おまけはこれまたマニア谷口がついでに見つけたらしいソニック・ホーンのリリース前夜の俺の同誌コラムの一部。この時名称未定だったポッパーは、ソニック・ホーンと名付けられ間も無くリリースされることになる。これがソニック・シリーズの始まり。おおよそ15年前のこと。

     ちなみにソニック=Sonicとは「音、音波」(転じて音速という意味も)という意味。ポッパーであるからして、音を操る意味でこの名前を冠してある。中にはその範疇にはまらないものもあって、そうでないポッパーやダーターの類もないではないけれど、津波ルアーズのポッパーは総じてこの「Sonic」が冠されている。

     ところでこの記事の下には俺がギターを弾いていた中島らも&マザーズ・ボーイズのライブ情報なんかも載っていてめちゃくちゃ懐かしい。この年の7月にらもさんは急逝するのだ。あれから15年、今年の7月には俺も出演するそれにちなんだライブがある。そう、もう15年なんだよね。

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