Tsunami Times
風に吹かれて
昨日の仕事始めはディランのBlowin’ in The Windだった。気の利いたMacのチョイスに不覚の風邪さえ忘れてしばしご機嫌。うちの経理兼専務の奥さんに「音を小さくして」といつものようにたしなめられるまでは、という但し書きはついてしまうけれども。ずいぶん昔から大きな音に慣れ親しんでいる俺だからか、どうやら難聴の気があるらしい。
それにしてもこのジャケットが好きだ。いなせにジャケットとジーンズを着こなす当時のディランとガールフレンドとおぼしき女の子、それにニューヨークらしき背景も激動のしかし古き良き時代を映していて、その空気感に俺なんかは無条件に憧れを抱いてしまう。「友よ、答えは風の中にある」とその曲で歌ったディランは1963年(元木が生まれた年だ)当時21歳。天才と言わずしてなんと言おう。村上春樹を差し置いてノーベル文学賞を取るとはさすがに誰も思わなかっただろうけど。
ディランほどの才能は持ち合わせていないけれども、俺だって音楽が好き。音楽制作が人の健康と幸福に寄与するというような内容のまさに今日facebookにシェアした記事によるまでもなく、半ば信仰のごとくこれを信じて自分のペースで音楽を続けてきた。カート・ヴォネガットも言うように、創作活動をなるべく上手にやろうとすることが人にとっては肝心。音楽やるにしろ、ルアーを作るにしろ、なにをやるにもコンプレックスは俺の場合つきものなのだけれど、それでも下手には下手の音楽がある。時にはそれが正確無比な音楽を凌駕したり、あるいは突き動かしたりもするものだ。
というわけで、今日も創作活動に勤しむ。ご予約いただいたHand Drawn Paisleyは只今鋭意製作中。請けたはいいが、こりゃまあまあ大変だということに後から気づく。でもまあ、好きな音楽をそこそこの音量で聴きつつ、しばしこうした創作に集中することが出来るのなら、それはそれで幸せではある。
20/01/08