Tsunami Times
誕生日の機微とマスプロダクツ
今日は元木の誕生日です。世の中が大変な最中、57歳になりました。戦々恐々の状況にも関わらず、facebook他でメッセージをいただいたみなさん、本当にありがとうございます。こんな時期だからこそ心遣いが身に沁みますね。普段の生活のありがたみもわかるってもの。
ここはしかし、踏ん張るしかないですよね。例えば商売は、なんだろうが遅かれ早かれ大変です。ましてや釣りや音楽は生きていく上で必須ではない、いわば不要不急な部分なわけで・・・。しかし、その必須でない部分こそが人間を人間たらしめる文化であり慰めでもあるので、どうにか死守するべきだとも思います。今はどうすることがベスト、いやベターなのかその都度考えた上で、出来ることを粛々とやるしかないのかな。
とにかく、皆さん、どうかご自愛あれ。
さて、まずは訂正を。Niva del Plasticoは入荷が中旬あたりの見込みで、税関のこととか検品のこととかを考え合わせると、リリースは早くて下旬となりそうです。元木自身もちょっと焦ってしまっていたので、昨日書いたニュアンスだと中旬にも出荷の勢いかと誤解された方もいたかもしれませんが・・・。
そんなわけでご予約開始は中旬あたりになる見込み。プロダクツページはUPしたので、そちらはどうかじっくりご覧あれ。
今回のカラーラインナップは厳選8色。うちの定番色とも言えそうな6色に、ちょいとトリッキーな新色モンスター(MN)と、前にArrowzinho DPに塗ったことのあるロボット(RB-RL)の2カラーを加えました。この2カラーもなかなかいいカラーです。
モンスターはベースが地味ながら、上に載せた明るめのカラーで十分に明滅効果の期待出来るカラー。他のカラーに関しても同じだけれど、ソリッドカラーのボディは全てボーン素材(ABS)。サウンドが違うんです。さらに言うと、実はボーンの地肌そのまんまが見えるVBH-BNと、塗装を載せたものとではちょっと音が違う。面白いでしょ?
一方のロボットのボディ素材はクリアのポリカーボネート。ボーンには及ばないけれど、これも素材としては硬い部類なので、サウンドもそれなりに甲高い。ABSクリアボディのルアーがあれば比べてみるとよくわかるのだけれど、これよりは甲高い音がします。不思議なことに同じくABSの上記ボーンボディはもっと甲高い音がするから、甲高いのは上からABSボーン、ポリカーボネート、ABSクリアの順になる。それがうちがクリアボディにABSではなくポリカーボネートを採用する理由です。
またソリッドとクリアでは素材が違うので、重さも若干違う。クリアの方が重いので、実はこっちの方が水絡みが良いのです。あまり知られていないけれど。
そしてこのクリアボディには内側に反射板を入れてある。これが複雑なフラッシングを生む。音ではボーンに若干劣るけれど、クリアにはクリアのメリットがあるってこと。
そして只今話題沸騰ご予約受付中のPlugger’s Carrying Box。細かいところに言及すると、把手の部分がウッド調です。この部分はシールなのであくまでフェイクではあるのだけれど、これが元木はどうしてもやりたかった。本物ではなくて偽物だという胡散臭さが、個人的には在りし日のいい感じのマスプロダクトの象徴。あってもなくても別に困らないけれど、樹脂製マスプロダクトの均一さを払拭したくてフェイクでやってしまう。ま、いずれにしろコピーなので均一には変わりないのだけれど・・・。そういうチープさが好きなのです。
そう言えば、気に入ってずっと使っている年季を経たうちの事務所の応接テーブル(下のストレージコンテナと一緒に写っているのがそれ)もフェイクウッド製だ。同じく昔の家具のようなTVだとかステレオだとかも、実は高価なのだけれどある種の胡散臭さが漂ってましたよね。
しかし、このシールに関しては苦労しました。サンプルにはドアや壁用の筋状の凹みのあるリアルな木目のシートをうちのルアーのテンプレート用のプロッター(カッティングシートマシン)でカットして貼っていました。最悪は製品分もこうしてカットするつもりでいたけれど、それだと恐ろしい時間と手間がかかってしまって現実的でない。
そんなわけでカットを外注に回そうといろいろと調べたものの、そのコストも馬鹿にならない。それにシート自体が高価である。その上、いつもお願いするところではサンプルで貼ったシートが業務用のプロッターでカット出来ないことが判明したりで、一時はこれが暗礁に乗り上げてしまった。
最終的には木目をデータ上でコピーして、それをステッカーにして出力するというところに落ち着いたのだけれど、これにだってある程度のコストはかかってくるし、それもはたしてどのくらいリアルに見えるのか、出来上がってくるまで不安だった。(リアルというのか、フェイクに見えても「いい感じ」であるのか?ということが重要なのだけれど)
それほど利益が上がるとも思えないプロダクツのその利益分を削ってまで、そこにコストをかける意味があるのか?とも自問自答してみたけれど、もちろんやりたかった部分でもあれば乗りかかった船でもあるし、ご覧の通り「いい感じ」であるので、そこには意味があったと確信しているところ。チープにはチープなりのコストがかかる。
そしてそして同じくアンバーのこちら通称ペンコも好評です。ここにも紆余曲折があったのでひとまずはホッとしているけれど、それでもまだまだ在庫はあるので油断は禁物。次回生産は未定なので是非この機会に1個と言わず、2個3個どうぞ。
20/04/02