Tsunami Times
九州からの便りと琵琶湖&淀川タックル
まずはこれ。鹿児島から届いた便りは、Django P del Blancoの一番乗り。仕事終わりの短時間でしっかり片付けてしまうあたり(しかも2本)、マニアという名前に恥じない働きっぷりです。プラグのポテンシャルを一瞬で見抜けて、そして釣れる動きを察知する、そういう能力に長けていることもその名前の所以ではある。
今日はかのデンさんとのセッションらしく、Django P del Blancoでのダブル釣果に期待しているところ。果たして・・・。
こちらは同じく九州は福岡から。朝の2時間で10バイト7フィッシュとは、にわかには信じられない釣果の大坪君と、対して10バラシ1フィッシュの伊東さんからの便り。
しかしすごいですよね。クソ暑い最中に朝から晩までやって1本なんていう誰か(ま、俺のことですが)とは大違い。フィールドのポテンシャル、ルアーのポテンシャル、そして大坪君のテクの賜物でしょう。煽られた伊東さんがペースを乱すなんてのは、俺にも経験あるけれど、これはよくあるパターンです。ましてや短時間ならばなおさら乱されたペースを立て直す隙さえもない。
大坪君がこの日使ったのはSlapphappy Shad Mini DP – High Appealなのだけれど、彼も言うようにこれのHigh Appealチューンはかなり効きます。それ以前にこのスラップハッピー・シリーズの威力は絶大です。それを世間は知らなさ過ぎる。凄いんだから、ほんとに。
ご覧のように淀川だろうが琵琶湖だろうが、このシリーズは魚を異様に惹きつけます。何が?なんて理屈はこの際重要ではなくて、事実そうだということ。
これさえあれば、ということにもなるのだけれど、ご存知のようにそうではないのがこの世界。なんであれ完璧はないし、そうなるとバリエーションは必然で、また、いろいろあるからこそ面白く、そして釣れるルアーも際立つということ。
そう、こうして違うルアーでだって釣る。この魚はVibrotone Tandemでしかおそらく釣りえなかったであろう魚。先日は暑い暑い淀川で1日やって神岡と二人してこれ1本でした。
さて、このところ通っているその淀川と、ホームとも言える琵琶湖での使用タックルを突然ですが紹介してみようと思います。これまではあまりこういうことに触れなかったということをよくよく考えてみたら、単に面倒だったということも実はあって、これではいけないとこのところ切に感じているということがその最大の理由。ちなみに元木の場合はこれらのフィールドではジョンボートに載るのが基本なので、例えばカヤックならば当然アレンジが必要でしょう。また、ボート上にはだいたい3本のロッドを持ち込むことが多いので3セットずつをセレクトしています。
まずは淀川。ここの場合、流れが速いポイントも結構あって手返しを要求される。オーバーハングも結構ある。またその性格上キャストの距離をそれほど必要としない。となると断然短いロッドが使いやすい。加えて大型の魚をかける可能性が大いにあって、しかも流れがそれに加味されるとなると、パワーも必要というのがセレクトのポイントになっています。今のところ下記のセットがメイン。
Sukiyaki56LC+Sonicmaster Alternative+Fishbone SD
Sukiyaki53LC+Sonicmaster MM-4600SD+Fishbone SD
Moderno53HJ+Sonicmaster Alternative+Fishbone SD
元木の場合は、ショートロッドでもグリップはセミダブルが基本。両手でも片手でもキャスト出来るし、左手を添えればアキュラシーも上がり、疲労も軽減出来る。もちろん「慣れ」もある。また手返し&ショートディスタンスということでリールはいちおうオルタナティブを合わせているのだけれど、そのあたりはお好みで。大事なのはロッドのチョイスでしょう。ちなみにModerno53HJの代わりにもちろんModerno53HでもOK。
これらのロッドは十分にパワーがあるから、流れの中の大型の魚とのやりとりにも余裕があり、しかもよく曲がるのでロングロッドに匹敵するほどバレにくい。
パワーならばModerno53HJ(もしくはModerno53H)が筆頭ですが、これは低弾性カーボンの特性上、思っている以上によく曲がってくれるので、ガチガチに硬いかというと決してそうではないはず。
Sukiyaki53LCも同じくガチガチになってしまいがちなパワー重視のショートロッドではなく、とてもバランスの取れた使い勝手のいいロッド。
これらの中で最も売れたのはSukiyaki56LC。デザイン性ということもそうなのだけれど、加えてオールマイティに使えてしまうところがその要因かと思われます。
これらは、川に限らず、例えばパワーの必要な琵琶湖でのカヤックにもお薦め。
琵琶湖に持ち込むならこれ。
Sukiyaki60H+Sonicmaster MM-4600SD+Little Rock SD
Moderno60+Sonicmaster MM-4600S+Fishbone SD
Sukiyaki60HF+Sonicmaster MM-4600SD+Fishbone SD
パワーと柔軟性とある程度の長さを兼ね備えていることがチョイスの条件。琵琶湖では川とは違ってオーバーハングはないに等しく、ロングキャストを要求されることがままある。もちろんロクマルとのやりとりも想定しなくてはならず、またウィードという特殊性がある。これらを鑑みて、そして経験上、こういった6ft以上のロッドが最適かと思っています。これらに加えてSukiyaki66あるいはSukiyaki66Hという選択肢もあり。
Sukiyaki60Hは津波ルアーズの場合、琵琶湖スタンダードと言っていいでしょうか。3本ともにこれでも問題ない。そのくらい信頼を置いています。キャストおよびアクション、魚とのやりとりにおいて最もバランスがとれている。琵琶湖やメキシコ、その他ある程度のパワーを必要とされる場面にはベストマッチ。
Moderno60とSukiyaki60HFはSukiyaki60Hを補う形で使う。Moderno60はSukiyaki60Hではバイトを「弾いて」しまう場合に試してみて損はない。これだと乗ることが多々あるはず。加えてペンシルをロッドのアクションを生かして柔らかく動かしたい場合なんかには重宝する。Sukiyaki60HFも同じ用途と言っていいけれど、これの場合はバットにSukiyaki60H譲りのパワーがあるのがModerno60との決定的な違い。ペンシルにも悪くないけれど、操作性の良さを生かしてポッパーなんかをチャッチャッと細かく動かしたいならこれ。
ここでもリールとグリップはお好みで構わないと思います。ただし、やっぱりグリップは元木の場合セミダブル。
実は元木の場合、琵琶湖には現状これらのロッドではなく、3本ともにプロトロッドを持ち込んでいます。いやはや欲しいロッドには終わりがない。それにしても実際のところそれらプロトはSukiyaki60の改良ヴァージョンだったり、Moderno6.2だったり、上に挙げたロッドの延長線上にあるものばかり。
また、それ以外のYabusame、Sasuga No.1、Sukiyaki56L、あるいはFunkalleroなんかは必要に応じて。例えばリザーバーや流れがそれほど速くない川、飛び抜けて大きな魚のいないフィールドならばこのへんはとてもとてもいいと思う。Sukiyaki56LやFunkalleroは淀川にも琵琶湖にも悪くない。パワーが若干不足かもしれないけれど、敢えてそれもあり。Funkalleroはバットからよく曲がるものの、トルクには特筆すべきものがあるし。Yabusame、Sasuga No.1のグラスロッドは、琵琶湖や淀川なんかでは今や少々のパワー不足は否めないものの、フィールドさえ選べばもちろん出番は大いにある。本来のキャストから魚とのやりとりまで「楽しむ」という点においては抜群のパフォーマンスを誇るから。
妙な話ではあるけれど、淀川&琵琶湖のタックルにチョイスしていないこれらロッドは、20年の津波ルアーズの歴史においては淀川&琵琶湖タックルよりも実はセールス的に上です。つまりはよく売れたということ。これに肉薄するのはSukiyaki60Hくらいでしょうか。特にYabusameは史上最も売れたロッドなんではないかと。
以上、参考になれば幸い。今後も折に触れてこういうことを書いてみたいと思っています。
そうそう、Plugger’s Steel Boxがメーカー在庫完売御礼です。期待と不安を携えてのどきどきリリース(なんでもそうなんですが)だったのだけれど、予想以上の反響があって嬉しい限り。超えなければいけないハードルはなくはないものの、こうなったら次も考えてみようと思っているところ。今のところ仕様も時期も全く未定ですが。
19/08/09