Tsunami Times

  • スウィングトップとグリップのコーディネート術

     スウィングトップっていう言葉の響きは、どうも同世代には特別なものがあるようで、面白いと言えば面白い。確かになんだかちょっとうきうきしてしまうのは、青春時代に植え込まれた記憶のせいか。メンズクラブだとか、ポパイだとか、ホットドッグプレスだとか、あの頃そういうファッション誌にはこの言葉が踊っていたものだ。だからこそ、ドリズラーとかバラクーダではなくて、この和製英語をネーミングにチョイスしたのだけれど。

     見ようによってはなんだかちょっといただけない、つまりはダサいこのジャケットを小粋に着こなすのがおしゃれなんである。それがアイビーだとかプレッピーだとかの所以と言えなくもない。あの頃、普通のアメリカのおっさんのファッションに俺たちは憧れたんだから。と言う俺がもう十分におっさんの域であるのはご愛嬌。

     それはさておき、スウィングトップというジャケットは、多少の流行り廃りこそあれ、ほとんど定番と言っていい。この頃、世間ではちょいとこれが新鮮なようではあるけれど、巡り巡るのはファションの常なのだ。そんなわけで津波ルアーズもこれをちょっとばかり見直して、街中でそしてもちろんフィールドで着ることを提案してみようと思う。

     このジャケットに例のオーサムエキゾチック・ワッペンがすこぶる似合ってしまうということも、提案することになった経緯のひとつ。なんだかアメリカのおじさんの釣りクラブのユニフォームみたいではないか。

     この春はこれに中折れとかポークパイなんかのハットを被って釣りに出かけたい気分。あんまり寒いと折れてしまうかもしれないけれど。

    Why don’t you get customized ? – from Head Cap to Stopper Screw

     もう一つの提案は「Why don’t you get customized ?」つまりはグリップのカスタマイズだ。ストライクキャスターの握り単体のリリースを契機に急遽オリジナル・ヘッドキャップとストッパースクリューをこれらも単体でリリースすることにした。それにしても、ストライクキャスターのリリースで、あまり取り沙汰されることのなかったオリジナル・ヘッドキャップとストッパースクリューに俄然注目が集まったのは皮肉なものだ。

     とにかくどちらも実は自信のパーツなのである。凝った作りの上になおかつ洒落ているので、ご覧のようにこれを装着するだけでグリップの表情がぐっとユニークに、そしてなんだか精悍になる。

     コーディネートとしては、シルバーで統一するのももちろんいいのだけれど、ブラックやガンメタのリールシートにシルバーのキャップ、そしてシルバーのスクリューも実は悪くない。と言うか、これはこれでとてもいいので、試してみて損はない。

     マットブラックのヘッドキャップも今回はラインナップしたので、まだ試したことはないのだけれど、シルバーのリールシートにマットブラックのキャップだってまず問題はないと思う。カラーを統一しないであえて外すのもコーディネートの常套手段ではある。スウィングトップと同じで要はどう着こなすかだと思うのだけれどいかがでしょう?

     それに、たまにはパーツだけ着替えてみるのも一興。といよりもそういうことこそは釣りをより楽しいものにすると思う。

     まもなく初回ご予約締め切りとなるストライクキャスターもまた、コーディネートの中にあっては強烈に個性の光る洒落たアイテムになるはず。

     スウィングトップにハットの出で立ちでジョンボートを駆り、こういうグリップにソニックマスターを合わせてトップウォータープラグをキャストする姿をちょっと想像してみて欲しい。それだけで楽しくなってしまわないだろうか。洒落てると思うんだけどなあ・・・。

     そんな考えを巡らせた本日、ぐっと来たBGMはアート・ペッパーだった。するすると軽快な彼の音楽の前にはこまごまとしたストレスさえも霧散してしまいそうで実に心地がいい。縦横無尽に、しかし軽やかに宙を舞うような彼のアルトサックスは、誰にとっても崇高なものであるに違いない。ここにはドラッグに溺れる姿なんて微塵も感じられないのだけれど。

     どうでもいいけど、アート・ペッパーにもスウィングトップは似合いそうだ。想像するに、それを着てアルトを吹いている彼の姿には少しも違和感がないし。

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