Tsunami Times
とある暑い熱い夏の日
とにかく暑い熱い日だった。
午前中に2発(たった2発だけれど、淀川にすれば決して少なくはない。1発はめちゃめちゃ太い推定50up、もう1発は1発目ほど太くはないが、確実に長そうな推定55up。出るとデカいのも淀川。ちなみにルアーはいずれもSlapphappy Shad Mini del Plastico – High Appeal)の良いバイトをもらうも、これはバイトの瞬間が丸見えだったことで、手元が緊張してわずかにびっくり合わせしてしまう例のリアクションのせいでフックをかすめて終わり。
その後はひたすら暑い。ソフトクーラーボックスに入れた飲み物も減るのが早いのなんの。ほとんど熱中症寸前の苦行が続く。木陰で昼飯を食って休憩するも、木陰すら暑い。しょうがないのでおかしくならないうちに、倒れそうになりながら、次に出すDjango P DBのアクション動画の撮影を敢行。
もちろんこのDjango P DBも幾度となく投入するも結果は残せず。釣りたいルアーがある、つまり「これで釣りたい」はトップウォータープラッギングの基本中の基本なのだけれど、そう甘くはないというのも、これまたトップウォータープラッギングの常識。釣りたいルアーで釣るということをこともなげにやってのけてしまう人を、この世で一人だけ知らないでもないけれど。
期待した昼まずめにさえ何事も起こらず、いたずらに時は過ぎる。こうなれば奇跡を起こすのはスラップハッピーとばかりに、淀川で1匹も釣った実績のないビーバー(3rd)に頼ってみる。
すると熱中症3秒前、着水後しばらくリトリーブしたビーバーを突然のように襲う見るからにデカい影。自分のリアクションを耐え、というよりも疲れてリアクションすら出来なかったのが功を奏したか、見事に巻き合わせフッキングがきまる。とたんに身悶えするそいつを、Moderno 53HJ+Fishbone、そして下ろしたてのSonicmaster Alternative TSBを駆使して 必死で寄せ、ジャンプしそうになるそいつにロッドを水中に突っ込んで応戦し、神岡の構えるネットに収まったのはロクマルはあろうかという冒頭の魚体でした。
時間はと言うと、まずめなんて全く関係のないお昼の2時過ぎ。しかし、神岡に言われて気づいたけれど、その瞬間に神風のごとく空は曇った。つまりそれまでいわゆるどピーカンといってもよかったお天気が、一転にわかにかき曇りローライトになったその時だったというのは少々驚きのしかし納得の事実だった。そう言えば、バイトのあった朝も少し曇っていたような。
妙なものでそれ以降、熱中症のことすら忘れてしまって夢中になっていられたのは、その魚によるアドレナリンの効用か。
なんとそのすぐ後の一投で2本目を取る。そのまたしばらく後に3本目。神岡驚き、俺自身も驚く。それまでのキャストは一体何だったのでしょうか。
いやがおうでも高まる夕まずめへの期待。ちょっとしたゲリラ豪雨による一時中断をはさみ勇んで臨んだその夕まずめに、ことは起こってしまう。
40cmくらいのを元木がおざなりにバラしてしまって、しばらく後、雄叫びにも似た「よっしゃ!」という突然の神岡の声。バイトは無音だった。これに限らず、この日のバイトは朝の一発を除いては、ほぼ無音。スラップハッピーに特有のパクっと吸い込むようなやつ。
こいつがガンガン突っ込むわ突っ込むわ。この日、事情で元木のを拝借したSukiyaki 56LC(+Fishbone+Sonicmaster MM-4600SD CAR)は弓なりに。ちょっと前に琵琶湖でロクマルありそうなのをジャンプ一番でバラしている彼は、そうはさせじと必死でもがくも、思わず漏れた「ああっ」という悲鳴のような一声と同時に魚はジャンプ。あわやと思いきや、Dos Cactusがなんとか耐えて、しつこい突っ込みもどうにかいなし、ようやく魚はネットイン。そいつはなんと58超で7.6lbの元木のよりひとまわりデカい見事な魚でした。
いやはやとても良い釣りをした暑い熱い夏の日ではあった。そんな日、九州ではこんな二人もとても良い釣りをしたのだとか。
マニア谷口とデンさん、彼らが二人ジャンボリーと題してこの日初めての同船を果たす。同じ南九州在住で、古くから津波ルアーズのユーザーで、もう20年近く前からお互いを知っていたにも関わらず、これまで交わることのなかった彼らが、こうして交流してくれたことに、嬉しいを通り越してちょっとした感動さえ覚える元木なのだ。ここには釣果なんてそれほど重要ではないよね。彼らのこの笑顔が全て。ここにも暑い熱い夏の日がある。
こんな風な笑顔が9月の本家ジャンボリー(9/15 @琵琶湖マイアミ浜オートキャンプ場)でも見られたらいいなあと願ってやまないのです。
暑い熱い夏の日のBGMにマイルズ。収録されたのは1970年6月17日から20日にかけてだそうで、初夏だとは言え、フィルモア・イースト(ニューヨーク)はそりゃあもう灼熱の様相だったはず。ひたすら熱いファンクを聴いて暑さをぶっとばすべし。
19/07/17