Tsunami Times
Photo Grand Prix 2025

釣りの一年は、いつも思った通りには進まない。いい日もあるけれど、多くの場合は空振り。予定は外れ、天気は裏切り、魚は気まぐれで、こちらの都合なんて考慮してもらった試しがない。それでも人は水辺へ赴く。理由は単純。そこでしか得られないものがあるからだ。フィールドはライブである。そこでしか聞けない音、そこでしか鳴らせない音があることを僕らは知っている。2025年のUsers Galleryを眺めていると、いくつものライブがそこにはあった。
トップウォーターはある種受動的な遊びではあるものの、能動的でなくては成立しない。場所を変える。角度を変える。投げ方を変える。気分を変える。何より、やめない。たとえ折れる瞬間はあっても、線は切らない。そういう人だけが、時折辻褄の合わない魚と出会うことが出来る。2025年も、そういう出会いをいくつも見ることが出来た。あとで思い返せば、2025年は面白い年だったと思えるのかもしれない。
2025年のUsers Galleryは、数字で言えば投稿総数260。その数字が多いか少ないかは別にして、その奥にある「通った回数」や「投げ続けた時間」、「諦めた回数」、熱量、落胆、歓喜・・・が元木には確かに見える。トップウォーターとは、出るか出ないかより先に、“行く”という選択がものを言う。そうでないと説明出来ない魚はもちろん、ライブを味わうことは決してないから。2025年は、「行く」という選択が積み上がった一年だった。
50up(以上)は44投稿/45本。
55up以上も複数出たし、ロクマルだって届いた。
そして何より、そこには、常連の想い、ベテランの底力、新しい顔ぶれの勢い、復帰した人の気配——いろんな温度が一枚ずつ形を変えて写っていた。例年通り、今年も少々遅くはなったけれど、グランプリの発表です。

Grand Prix(グランプリ)
ご存知田盛君はうちのファンとしては大ベテラン。
それでも“ロクマル”だけは、メキシコだろうが、琵琶湖だろうが、なかなか届かない、少し遠いところにある魚だった。そこに至る時間は思ってた以上に長かったと思う。本人でさえ、「自分の番は果たして来るのか」なんて思っていたみたい。それが二年ほど前の琵琶湖で遂に夢を成し遂げる。さらにはフォトグランプリも獲得。そして今回再びのロクマル。しかもそれは琵琶湖ではなく、なんとローカルのリザーバー。元木でさえ不意を突かれた。
そのタイミングにしろ、場所にしろ、ここ二年余りの間に2本のロクマルを獲るとは、これはちょっとした事件だった。トップウォーターって、そういう快挙を突然に、そしてあっさりと、やってしまう。
突如の入院で大変だった彼にフィールドは応えたと言う奇跡。しかも11月、立冬を過ぎてのこの釣果は見事だった。
賞品:Sukiyaki 53M & SPルアー
2023年 夏 田盛君の琵琶湖のロクマル 
ちなみに次点は田辺君。59cm(亀山ダム/3月の一撃)
沈黙を破る魚はいつだって突然で、しかも驚くべき体躯。
関東屈指のメジャーレイク、難攻不落の亀山ダム、序盤の空気がまだ人を寄せ付けない、そんな時期に、いきなり曲がサビに飛ぶみたいなインパクトがあった。行きつけのお店の人の話によれば、その沈黙はいろいろな意味で長かったらしい――そこも含めて、元木の記憶に残った。賞品はないけれど、この魚以上の賞品は彼には必要ないのかも。
3位はハッピー師匠(58cm)だった。
ハッピー師匠は、2025年のギャラリーそのものと言っていい。投稿数82。釣行数も半端じゃないはずで、それは「好き」だけじゃ続かない領域だ。その熱は、彼の主戦場であるローカルの野池で、過去にはロクマルさえ獲らせてしまっている。そんな彼にとって、58cmは必然。

3月は行くことに意味がある季節。出ないと思っていても行く人がいる。出ると信じて行く人もいる。どちらも正しい。そして“この日”に限って、魚はちゃんと応えた。なんとも素晴らしい。
宇都宮君の57.5cmは自己新。魚体のシルエットが見事で、不意を突かれた彼自身の表情にもアドレナリンの噴出が見て取れる。序盤の3月に、あの体躯。元木の記憶に強く残っている。さて、各賞を発表の前にいつものようにいろいろと集計を発表しましょう。
月別投稿数
1月 2
2月 1
3月 12
4月 17
5月 36
6月 31
7月 34
8月 29
9月 34
10月 32
11月 15
12月 17
————
合計26012月が思った以上に伸びた印象だ。やっぱり1月と2月は少ない。
ユーザー別投稿数
- ハッピー師匠:82
- 岩盤幸一:25
- デンさん : 20
- ターキー : 15
- Taka 69 : 15
- ハンドレッド大森 : 11
- ミナミ240 : 11
- 田盛:9
- tattsu : 9
- ナタリー : 9
- フジヤマ:6
- グランデ小川 : 6
- 20th西山 : 6
- 利重:5
- マニア谷口 : 5
- びっくりあわせ大坪 : 5
- Shinyaaaaaa1984 : 5
- はんなりベアー : 3
- ミリメーター松澤 : 2
- 宇都宮 : 2
- ヤッシー : 2
- ハンドレッドJr. : 1
- ジャマ : 1
- そてつ : 1
- 田辺 : 1
- しのちゃん : 1
- manabu : 1
- KORONAMUZIK : 1
ハッピー師匠、驚異的だ。
50upの総キャッチ数:45
ユーザー別 50up
- ハッピー師匠:17
- ハンドレッド大森:9
- 田盛:3
- デンさん:2
- フジヤマ:2
- 利重:2
- 宇都宮 : 2
- No Name / Taka 69 / tattsu / そてつ / ジャマ / ターキー / ハンドレッドJr. / ミナミ240 / 田辺:各1
ハッピー師匠は申告していない50upが複数あるような気がするので、実質はもっと多いんじゃないかと思う。それもすごいけど、ハンドレッド大森の50up率もすごいと思う。
ルアー別 50up
- Kirin SD:5
- Django PJ:4
- Sunny 90:3
- Swing Gecko:3
- Slapphappy Beaver:3
- Sonic Tatsumaki:2
- Mighty Arrow:2
- Niva DP:2
今回はSlapphappyシリーズの数が思ったより少なかった。Wスウィシャー(Kirin SD、Sonic tatsumaki、Mighty Arrow)が多い印象。Sunnyシリーズのリリースがあったせいかペンシルベイトも上位に。そしてやはりDjango PJの大物率は見逃せなくなって来た気が・・・。
ルアー別 投稿数
Slapphappy Shad J 29
Django PJ 23
Slaphappy Beaver 23
Swing Momonga 14
Kirin SD 13
Sunny 90 13
Whippinho JL 12
CoKirin 10
Swing Gecko 9
Sonic Vitazinho 8
Slaphappy Shad 7
Slaphappy Shad DB 7
Sonic Tatsumaki 7
Tatsumaki 6
Sonic Bird Mini 6
Mighty Arrow Mini 6
Mighty Arrow 5
Sunny 75 5
Mighty Arrowzinho DP 5
Sweephonic Borracho Spinner 4
Slapphappy Shad Mini DP 4
Catavento 3
Frank Sum 3
Sweepy Thin 3
August 3
Niva DP 3
Django PPF 3
Kirin 3
Beat Jack 3
Bambino 2
カエルB 2
Beat Stick J 2
Bimbe 2
Mighty Arrow Mini Tandem 2
Sonic Bird 2
蛇 2
Gaucho+ 2
Sonic Horn 2
Tatsumaki Arrow 2
Cosmo DP 2
Swing Ritmo 2Slapphappyシリーズはここで見るとやっぱり多い。Swing MomongaとSwing Geckoも活躍。そしてやはりここでも見逃せないのはDjango PJ。
一番乗り
Tatsumaki Arrow ハンドレッド大森
Sunny 75 Taka 69
Slaphappy Beaver 5th デンさん
Sunny 90 Taka 69
Kirin SD ハンドレッド大森Taka 69が大健闘。Sonic Vitazinho好きの彼には、Sunny 90とSunny 75のサイズ感がしっくり来たのか?
そしていよいよ各賞発表です。

MVP(Most Valuable Plugger/最優秀賞)
ハンドレッド大森(50up:9)
ハンドレッド君は、今年いちばん“強かった”。
ただ強いというより、安定して強い。芯がブレない。だからか、50up率が異常に高い。
偶然じゃない。積み重ねの匂いがする。
そしてそれは、Tsunami Luresにとっても相当に心強い。
そんな彼には何度目かのMVPを。
賞品:Tashinami 60M & SPルアー
MAP(Most Achievement Plugger/功労賞)
ミナミ240


元木が提唱する、ライフスタイルとしてのトップウォーターを実践する男だと思う。彼にとってのトップウォーター=Tsunami Luresは、もはや生活となった。結果はどうあれ、フィールドへ赴くことが普段。そしてルアーを一つ一つものにし、ベテランの域に達しつつある。割とマイナーな存在であるCataventoの実力を証明したのがその証。これにはしかし、実を言うと元木も驚いた。作者自身Cataventoを再検証中。
そうそう、Tsunami Jamboreeのオンライントーナメントでもきっちり釣ってたし、終盤の56cmもお見事。「ニンマリ」する、その視線の先にTsunami Luresがあることは、嬉しい限り。
賞品:SPルアー進呈

MPP(Most Posts Plugger/最多投稿賞)
ハッピー師匠(82投稿)
投稿量は圧倒的。それはギャラリーの基礎体温そのものだった。
フィールドで湧き起こるライブを、師匠は通うことで何度も何度も目撃し、そして着実に自分の熱量として消化する。その熱量たるや圧巻で、見るものをひたすら感嘆させたのでした。
Tsunami Jamboreeのオンライントーナメントを二年連続50upで連覇したのも圧巻圧巻。年男を目前の12/30にAugustで釣った、2025年のラストフィッシュは、2026年の活躍を想像させるに十分だった。賞品:SPルアー進呈

1位には及ばないながら、前年MVPの岩盤幸一も投稿数2位と相変わらずの大健闘。
彼の健気で朴訥な投稿も基礎体温に一役買ったと思う。
BRP(Best Rookie Plugger/新人賞)
利重氏
トップを始めてまだ日は浅い、という背景があるにもかかわらず、二度の55upは印象深い。田盛君(タモさん)という相棒兼偉大な先達のおかげだろうか。それともSHIMANOキャップに見る、バスフィッシングにおいてこれまで積み重ねた、彼自身の基礎力か。
いずれにしろ、2025はまだ“入口の年”だったはずなのに、もう入口に立ち尽くしていない彼の、ここから先が実に楽しみ。そして期待大。
賞品:SPルアー

新人賞の次点はターキー、そしてフジヤマだった。
新人賞取りを宣言したターキーには取らせてあげたかったのだけれど、今年以降の貢献は間違いないと踏んでいるので、賞は先に取っておくことにした。若い彼のこの先が楽しみ。

フジヤマ君の登場も少々劇的だった。他のブランドからTsunami Luresへと完全に乗り換えたとのこと。一抹の危うさを感じないではないけれど、熱意は本物と信じたい。YouTubeチャンネルも運営する、彼に対する期待は大。会心の一撃と題した、Niva DPでのバイトを捉えた映像は必見。Fishing Safariよりもよっぽど釣りチャンネルらしい。

CBP(Come Back Plugger/カムバック賞)
びっくりあわせ大坪(4年ぶり復帰)
“戻ってきた”だけで、場の空気が少し温かみを増す。大坪君の復帰の数投は、そのままギャラリーを震わせて、少し温度を上げた。昔のレコードに久しぶりに針を落とす、そんな感じに似ていなくもない。懐かしいけれど、確かにそれは今の空気を震わせて鳴り、そして少しの暖かみを添える。
賞品:SPルアーHIP(Hang In Plugger/諦めない人の賞)
Taka 69



2025のTaka 69は、“楽しむことを諦めない”人だった。
この賞は、2025年のTaka 69のその姿勢に対して。
それでも釣りに行く。釣りを続ける。
その継続が、結果を連れてきた一年だったように見えた。トップウォータープラッガーとしての経歴はそう長くはなく、ある種の危うさを孕む彼だけれど、4位タイの投稿数、二度の一番乗り、そして50upと、見事なまでの結果を連れてきた。賞賛されて然るべき。
賞品:SPルアーちなみに賞品の欄に書いてあるSP(スペシャル)ルアーは、今のところ具体的に何を贈るのか、全く決めていません。受賞の皆さんそれぞれ、万が一ご希望のルアーがあれば、元木に知らせてちょうだい。時間はかかるかもしれないけれど、出来る範囲であればこれから準備します。

選外にはなったけれど、例えばtattsuの「数えきれない?!」はちょっとした驚き。「数えきれない」なんて釣果の投稿は、もう長いこと記憶にない。釣果はもちろん、釣りそのものの量と密度がそこから感じられた。

2022年に新人賞獲得のナタリーも奮闘。
BMXやスケボーやスノボーにも親しむ、彼のライフスタイルにTsunami Luresが加わって数年、トップウォーターとストリートカルチャーの親和性は少しは高まっただろうか。数としてはまだまだ少数派なのだけれど、彼やその友人のターキーのようなユーザーの若さが、見ていて実に頼もしい元木だ。

前年グランプリのデンさんは、序盤に肩を痛めながらも、投稿数で単独3位と今回も表彰クラスの大健闘。Tsunami Luresを携えてシーズンを通じてフィールドに通う、彼もまたライフスタイルとしてのトップウォーターの実践者の一人。

次の「マニア」とあのマニア谷口に言わしめた、20th西山は、相変わらずギャラリーの風景の一部。その名の由来は、20周年分のルアーを並べて“20”を作った男、という一点でだいたい説明がつく。一番にくれたお見舞いフィッシュ投稿には、涙ちょちょ切れた。俺が言うのもなんだけれど、最初に会った頃に比べたら、いろいろな意味で成長したなあ、ってなんだか感じる今日この頃。力強い俺の味方。


最古参のTsunami Luresファンである、そのマニア谷口も健在。静かに来て、静かに釣る。なのに確実に温度を残す。年に数回の投稿で、全体の温度を上げることの出来る男だ。
厳寒期の50upはやつの得意技。釣行数がごく限られてしまうここ数年にも関わらず、振り返ってみれば2025年も1月に50upを獲っていた。やつ曰く「隙あらば」の釣行だけのこの釣果には凄味さえある。勘の鋭い人っているもんだ。そんな人が選ぶTsunami Luresなら、誇りを持っていいのかも、と思わせてくれる、そんな男。
もちろん、投稿いただいた全ての人は、それぞれがTsunami Luresの決して小さくない力である。投稿には至らなかった人も含め、皆さんの存在がTsunami Luresを支えてくれている。ここに深く感謝します。商売としては、決して楽ではないこの頃ではあるものの、皆さんがいる限り、Tsunami Luresは死なない。
いろいろな出来事が沸き起こって、“生きていること”と“朽ちていくこと”を同時に意識させられる2025年だった。元木自身にも、白い天井を見上げる時間があった。けれど、こうしてギャラリーを見返すと、戻ってくる場所がある。戻って来たいと思える場所がある。それは、たぶん幸せなことだ。理屈や姿勢や発想や哲学を超えて、トップウォーターがカルチャーとして培われていくことを、今年も切に願う。
26/01/11














































































































































































