Tsunami Times
師走とイマジンとくらら

登山する人の間ではそこそこ有名な比良山地の峯の一つだと思う。先日2度目の冠雪。うちはちょうど比良山の登山口にあって、こういう景色が常に拝める。ちなみに反対側を見下ろせばそこは琵琶湖。風光明媚と言っていい。こういう景色を眺めていると、本当に恵まれているなあと思える。家にいても、窓の外を見ればそこには小楢や栗や柿の木が見えるから、気が休まってありがたい。
時には鹿や猿がやって来る。狐も狸もたまには見る。昨今の例に漏れず、熊だってやって来るが、幸運なことに今のところは家のそばで見たことはない。
都会の便利とはほど遠いけれど、そういうことも含め、心底ここはいいところだなあと思っている。
ところが、そんな北比良にも例外なく師走というやつはやって来て、例外なくせわしなかったりもする。とにかく俺には十分な時間が与えられていない。いったいどうしてこんなにもやることがあるのか。ギター弾いて歌っている暇さえない、なんて思っていたら、今日はジョンの命日だと気がついて、ひとりイマジンを歌ってみたり。そう言えば、スティーブ・クロッパーも亡くなった。ジミー・クリフも亡くなった。せわしい割に寂しい師走。
命日、そして寂しいと言えば、書き記しておくべきことがあった。インスタには書いたけれども、11月の初め、ジャンボリーの次の週に愛犬くら(くららがフルネームなんだけれど、ちょっと気恥ずかしくて、俺はこう呼んでいた)が死んだのだ。妻の連れ子として俺の元にやって来て16年半、18歳半の生涯。生きとし生けるものはみな死ぬんだ、と言うことを強く意識した日だった。
と言いつつ、いなくなったと言うことに合点がいかなかったのか、おいおい泣くつもりだったのに不思議と泣けなくて妙な気分のままあくる日を迎えた。結局自然と涙が溢れたのは、火葬場で骨になったあいつを見た時だった。
一時はポケットに入れて持ち歩きたいと思うほどに溺愛していたから、歩けなくてブルブル震えているのを見た日はちょっとしたショックだったけど、思えば、妻の献身的介護もあって、あれから2年ほど頑張ったあいつは、長い時間をかけてこういう日が来ることを覚悟をさせてくれたのかもしれない。
随分前のある日の俺との散歩の途中、いつも塀を介して吠え合う宿敵ダルメシアンが、その日に限って門扉の間をするりと抜けてくらに飛びかかり、遂にはガブリとやった。しつこいダルメシアンを必死で引き離して、ぐったりとなったあいつを抱きかかえて走った時には本当に死ぬかと思った。でもあいつは死ななかった。そして18歳と半年の最期までしぶとく生きた。犬のくせにすごいと思う。
今でもあいつが一目散に駆けて来て、俺の前にちょこんと座り、その真っ黒な瞳で見つめてくれそうな気がする。一緒にここに越して来ようという約束は果たしたけれど、こっちの景色の中を一緒に散歩出来なかったことが心残りと言えば心残り。

さて、いろいろとリリース情報。
Fishbone Rod Handleはもう何度目のリリースか。いろいろとグリップはリリースしているものの、うちではこれが最も定着している。ペイントによる着色に絶対的なこだわりがあるわけではないのだけれど、その独特の雰囲気が捨て難いのには間違いがない。以前、ブロンドというカラーをリリースしたことはあるのだけれど、コヨーテと名付けたこれはそれよりも色合いが濃く、ベージュにも近い。
あまり関係ないけれど、コヨーテというフレーズは、昔参加していたバンドの曲に登場する歌詞の一節にあった。見たこともないコヨーテなんて動物のその響き自体も新鮮で、これを歌詞に載せた作者(バンドのVo.&Gt.)のセンスを羨んだものだった。だからか、未だに俺にとってその響きは妙に特別なものがある。

リリースしてちょっと時間は経ったけれども、Sukiyaki 53Mも一緒にいかがだろうか。少し前にリリースしたミントグリーンのFishboneなら問題なく合うだろうけれど、コヨーテもフィットしないではないと思う。鮮やかなSukiyaki 53Mのカラーと相まって、全体にいくらか落ち着いて見えるかも。載せるリールの自由度も増すでしょう。
Sukiyaki 53Mは、ショートレンジをテンポよく撃つもよし、ミディアムレンジに積極的にアプローチするもよし。ロングディスタンスには向かない部分はあれど、使い勝手は抜群。とても良いロッドですよ。
ノスタルジーだけに帰することのない、使えるグラスロッド、Tashinami 60Mも在庫あり。これもまたコヨーテのFishboneとの相性は抜群でしょう。カーボンやコンポジット並みの強さを誇る、スウェルバッドと見まがうほどのバットと、しなやかかつ剛柔なグラス特有の粘りが、グラスロッドならではのキャストフィールと実用性のいずれをも実現するのがTashinami 60M。この頃、どうやら6フィートって流行らないみたいだけれど、相変わらずこの長さはベーシックだと思う。

今年最後にリリースするプラグはTatsumaki Arrow。TatsumakiとMighty Arrowは長年のTsunami Luresユーザーならお馴染みのプラグで、言うなればこのTatsumaki Arrowは単にそれらにあやかって名前が付けられただけではなく、その両方の良さを兼ね備え、さらには新たな特性を併せ持つ。
これでもかと無駄を削ぎ落とした、潔過ぎるその二次元ボディシェイプのコンパクトさと、非対称のバズ系プロップの生み出すヴァイブは思う以上に相性に秀れ、フロントのアルミリベットとアロウプロップの繊細な干渉音と合わせて、テスト以上のポテンシャルを秘めているはず。使えばそれがわかるし、さすればその未知の部分のポテンシャルが引き出されるのも時間の問題だと元木は考えているのだけれど、はてさて。
プロップの調整については、ちょっとしたマニュアルが一緒に入っているので参考にしていただけたら幸い。

恒例のFlight CapにBoa Watchももうすぐ入荷。

Flight Capのボリュームのあるシルエットとクラシカルな雰囲気は、トップウォーターのスタイルとも好相性間違いなし。ヘビーなアウターに合わせるのが気分。

Boa Watchは毎シーズンの定番として人気。 裏地にボアを採用することによる、優れた保温性と柔らかな被り心地は他のワッチキャップとは一線を画す。コストパフォーマンスも高く、冬のプラッギングやその他アウトドアアクティビティに最適。

そしてそして、裏ボアコーチJKやチェーン&サガラ刺繍のフルジップパーカ、スウェットパンツの予約もこの後に控えます。
もちろん、年始恒例の福袋にハンドペイントプラグもあり。それに向けてちょっと特別なSweephonic Borrachoも準備中。となれば当分は忙しいに決まってるね、こりゃ。時間が欲しいというのもわかっていただけるだろうか。

それでも音楽を聴く余裕くらいは持ちたいもの。今日のBGMはAmbitious LoversにTom Waits。調べてみたら、両アルバムは奇しくも同じ1988年リリースなんだそう。考えてみれば、Ambitious Loversのアート・リンゼイと、Tom Waitsのバックでギターを弾いているマーク・リボは、ラウンジリザーズのギタリストだったという共通点もある。
70年代に比べたら80年代はどうも不毛に見えたりもするけれど、これらは俺にとっても金字塔。Tom Waitsはミュージシャンズミュージシャンという側面もあるにしろ結構なメジャーであるからまだしも、Ambitious Loversを知っていて、さらには「好みです」という人となら、なんとなく気が合うような気がする。

さて、そんなこんなで忙しい師走だけれど、今週はこっちに越して来て初めての忘年会あり。どうして人は忙しいこんな時期に忘年会なんてことをするのだろう、なんていう疑問はとりあえず置いておいて、この日は北比良ネストからほど近いNina Spiceで、ここ湖西で知り合った人たちとの暖かな夜になりそうだ。
25/12/09














































































































































































