Tsunami Times

  • 高島屋とチキンジョージとくじらフェJ

     情報解禁となった京都高島屋のイベントです。まさか津波ルアーズが高島屋に登場するなんてこと、二十数年前の創業以来考えたこともなかったけれど、世の中おかしなことが起こるもんだ。昨今のアウトドアブームに乗っかったとは言えね。と言おうか、特にうちはブームのただ中にいるわけではないし、どさくさに紛れてというのが正解なのかもしれない。

     さて、名門百貨店にいったいどんな立ち位置で津波ルアーズが臨むのか、ファンならずとも興味はないでしょうか?お時間あれば見に来てやっていただきたい。

     どさくさに紛れてブームに乗っかるというとT字路sである。いやいや彼らが乗っかっているのではなくて、乗っかっているのはまたもや津波ルアーズ。NHKの番組でとりをとったり、映画音楽を担当するばかりか役者として登場したり・・・この頃の彼らの活躍はご存じの通りで、その人気にあやかるべく元木が彼らのTシャツとノベルティマグをデザインさせていただいた。

     先日の日曜は、一緒に西表に行くはずがキャンセルになり、おまけにその代わりに行くはずだったキャンプさえも事情でキャンセルになってしまったT字路sの二人に会いに、そのTシャツを親子ともども着用して揚々と彼らのライブにお邪魔。会場は神戸チキンジョージ。キャバレーと併設だったかれこれ四十年も前、十八で大阪に出てきたばかりの頃からここにちょいちょい通っていた俺だから、なんだか感慨が湧いてしまった。

     二十歳そこそこの頃はその頃好きだったJohnny, Louis & CharやTENSAW、憂歌団にJ-walk、今じゃ誰も知らないであろうウグイスだとか・・・そういう人たちを観に行ったものでした。

     どういうわけか憧れのこの場所に初めて出演したのはいつだったかまるで覚えていないのだけれど、賄いの旨かったことと楽屋からキャバレーの見える通路を通ってステージに行ったことだけはよく覚えてる。今は亡きex.おかげさまブラザーズのキンタとのバンド=ガイアコテカの最初のステージは確かここ。リハーサルで十数人のパーカッション隊が演奏するのを客席から眺めたのはちょっと感動的だった。

     そうそう1回目の結婚パーティーもここで、その時にはらもさんと演奏もした。わけのわからない1コードのブルースを延々と演った、というか演るはめになった。その年にらもさんは亡くなってしまう。それから数えてももう19年。

     そんなチキンジョージでT字路sを観るのはなんだか格別だった。隔世の感さえあるにもかかわらず、それでも気鋭の彼らがかつてのそういう人と変わらずここで演奏している姿に妙な感動を覚える。いい意味で力の抜けた彼らの演奏を他ならぬここで観ると、そこはかと貫禄さえ漂っている気がした。今までは応援するつもりで観ていたはずが、知らぬ間に彼らはしたたかなプロフェッショナルで、なんだかもう俺は1ファンでしかない。

     だからだろうか、彼らのオリジナル曲はもちろんのこと、RCのカバー=スローバラードは箱の空気をことさら揺らして、そして壁に床に溶け込んでいくようなそんな錯覚に陥った。それはなかなか感動的。そう言えば、清志郎さんは俺がプロデュースの一端を担ったらもさんの追悼ライブにビデオメッセージを寄せてくれたっけ。あれは泣けた。

     T字路sのライブの前日はミナミ240と淀川で釣り。少し前に20th西山が3本プラス50upバラしなんていう、この頃じゃ夢のような釣果のあった下流部を大いなる期待を持って攻めるも、それに値する反応はまるで得られず。しかし、240友でうちのお客さんの彼ととても良い時間を過ごした。

     トップウォーターシーンにおけるコンサバっていう話を彼には前にしたことがあって、それが彼はとても合点がいったらしく、この日もその話を少し。トップウォーターってある種とってもオルタナティブであるはずで、その出自も多分にそうだと思われる節があるのに、いつの間にかこぢんまりしていたり、えせスタンダード化する現象がないではなく、そういうのって面白くない、そういう話。

     そのミナミ240がお土産にと持ってきたのがノコギリクワガタとミヤマクワガタ。特にミヤマはその体躯が見事で、ちょっと見惚れてしまった。偶然インスタで既にこいつの画像を見ていた息子は、手元にやって来たこれに当然のごとく大盛り上がりなのでした。

     ちなみにリニューアルCoKirinと同じくリニューアルMighty Arrow Mini Tandemのテスト順調。

     月曜と火曜はジーニョとキャンプに行くつもりが、またまたまた・・・火曜が雨模様の予報で急遽月曜のみのデイキャンに。場所は前々から行こう行こうと思いつつ今回が初めてとなる笠置キャンプ場。近くてリーズナブルで大らかなくせになかなかのロケーションでとても良いところでした。

     少し体調はすぐれなかったのだけれど、暑い暑い中にもかかわらず、行ってしまえばそんなこと忘れてしまってリラックス。やっぱりキャンプってデトックス効果あり。

     そろそろ息子と二人してキャンプなんていうのも考えているところ。それにはやっぱりさっさと設営撤収出来て俺一人で完結出来てしまう装備が必要かなあと。ロッジシェルターとPEPOじゃちょっと荷が重い。目指すのは、ソロキャンに毛が生えたくらいの、しかし意表を突いてスマートでちょっとオールドスクールで洒落たサイト。

     さて、おおよそ20年がかりの傑作くじらフェJは完成間近。再度作れるのかどうかわからないほど最終的に目ん玉飛び出るほどのコストがかかってしまったこいつのリリースを、決して見逃すことなかれ。次にいつ作るかなんて本当にわからないですから。

     レギュラーカラーもご覧の通りシンプルから凝り凝りまで充実しています。フロントとリアを塗り分けただけの黄変したヴィンテージをイメージのBHに、フロントは木目の透けたステインにリアボディは同じインディゴブルー系で二分割塗りの久々のIDGはシェイプが生きるパターン。対してカラベラから派生のTsunami Lures定番中の定番パターンのCF-MGと、文字通りカラベラそのまんまのCV-IVは、テンプレート多めの凝ったデザイン。今回のSKLはジョニー吉井にしては珍しく塗りがちょっとラフ。しかしこのラフさは元木は決して嫌いではなく、むしろ歓迎。未だ名無し、グリグリに載せたソリッドパープルとシルバースケールにレッドライトニングの大胆不敵な新パターンはなかなか斬新。

     オンラインストアリミテッドは前回のボラチョに引き続きRelic TSB。エイジングには相変わらず賛否両論はあるかと思うのだけれどやってしまいます。使うべく作られたルアーはやがてほっておいてもエイジングされるのに、あらかじめエイジングするなんてナンセンスも甚だしいとは思う。そういう加工をされているギターを見るにつけ同じ疑問が湧くのだけれど、果敢にそいつに挑むという面白みには勝てなかった。

     それにしてもサンディングして擦れや傷を演出するのはもちろん、クラックって気温や湿度、それに乾燥時間なんかにも影響されるので、これが一筋縄にはいきません。愚にもつかないアイデアを形にするのも案外大変。

     ミヤマについて書いてたら思い出したのがこのジャケット。思い出したと言っても元木がこれを聴き始めたのはついこの間。最近お付き合いのある京都の建築家木村松本の木村氏に薦められたのがきっかけ。

     バンクシーの正体とも噂されるマッシブアタックのメンバー=3Dのシリアルナンバー付きアートワークを、彼は最近入手したという。写真撮るの忘れたけれど、直径10cmほどの筒から出てきたそれはなんだか不思議な迫力のある代物でした。

     と言うわけで相当遅ればせながらちょっと聴いてみている次第。まあ散々言われてきたことだとは思うのだけれど、気だるく暗い雰囲気のヒップホップへのアプローチが斬新で、なんだか70年代あたりのパンクやニューウェーブ的スピリットを感じないではない。その斬新さは今となってはもう斬新ではなくて、個人的なところにとどまるという意見もあるでしょうが、個人的には今もって斬新であると思います。木村松本の作風にも通じるような気がするのでした。

     あ、そうそう、Niva Rant DP 魚矢限定カラーはそろそろご予約締め切りですよ。

     伝統的赤と白のコントラストとバズペラ状のラントプロップでアトラクティブにアピールするBHと、クリアボディと捻りペラのエディプロップであくまでナチュラルに、しかしトルクフルに魅せるCLの2つのバリエーション。いずれもオールドを意識した微妙に黄変したトーンでカラーリング。

     全国の釣具屋さんにて。

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