Tsunami Times

  • 今日は死ぬのにもってこいの日

     いつの時にもユーモアを絶やさないメキシコの友人が、今日挨拶をくれた。

    Como estas, Amigo Saludos desde El Salto Sinaloa Mexico

     ちょいちょいこうして彼は特段意味もないと思われる挨拶をくれる。でも、それで妙にホッとすることがある。それはやっぱり意味があるってことなのかもしれない。

     思い出す彼のくしゃくしゃの笑顔は、今日はアメリカインディアンと重なって見えた。随分昔から気になっていてようやく読む気になった本が今日届いたのだけれど、それが「今日は死ぬのにもってこいの日」という、インディアンの古老のシンプルな言の葉と絵からなる書だったからでしょう。メスティソの多いメキシコだから、彼にもひょっとするとそういう血が流れているのかもしれないね。

     本は前書きの部分で既にちょっとした感動を覚えてしまった。名も知らぬ古老に既に心の中を見透かされている、そんな気分になった。

     全くの偶然だけれど、今日はらもさんの命日だ。昨日からのfacebookの「思い出」にわらわらと出て来た有名ミュージシャンとの2ショット画像は、7年前の中島らも没後10年イベントの時のもの。懐かしくも寂しいのである。らもさんはもちろん、この画像の石田(長生)さんも、キンタ(・ミーノ)も既にあの世だから。

     らもさんは俺の人生の中にそりゃもう強烈な足跡を残してあっけなくいなくなってしまった。息を引き取る瞬間にも立ち会ったのは光栄と言うべきか、なんと言うべきか、その時の光景はまるでトラウマのように心に焼き付いてしまっている。

     facebookによると5年前とそれから2年前のこの日には写真の男=T字路sしのちゃんと釣りに行ってたみたい。なんだか妙にミュージシャンと縁のある日でもある。らもさんがミュージシャンと縁が深かったせいかもね。

     そう言えば一度だけらもさんの希望を聞き入れ、他数人と釣りに行ったことがある。和歌山へキス釣りに。らもさんは一度か二度、大暴騰でキャスティングした後、やがて波が足元を濡らすまで微動だにせず座っていたっけ。そう、いちいち強烈なおっさんでした。

     そんならもさんが逝った日に「今日は死ぬのにもってこいの日」が届くなんてね。

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