Tsunami Times

  • シチリアーノのブラックバスとアルバート・キングのファンクブルース

     まるで似非シチリアマフィア、あるいは偽スティーブ・クロッパー、そんな風貌の男がNiva – Barbarian Maskで釣る。思わずこぼれる不敵な笑みを見よ。

     それにしても同船の俺でさえしびれた。それは、朝はゆっくりスタートだったものの、この魚が出るまではバイトどころか気配さえなく、釣れる気なんてつゆほどもしなかった、夕まずめというには少し早い5時前くらいの出来事。ルーチン作業のごとく、おかもっちゃんがおそらくは無意識に葦際にキャストしたNivaに、ここ最近聞くことのなかった音を立ててなんだか魚らしきものが襲いかかったような気がした。そのとたん確かに彼の竿が曲がるのを見て、ようやく魚がかかっていることを知る。悲しいほどのそのタイムラグは、このところの釣果に比例してしまってはいるけれど、それだけにその後の興奮たるや凄まじい。ジャンプした魚体にブラックバスだと確信した後、二人の興奮は頂点に。

     やがて新調したウッドフレームのネットに初めておさまった、琵琶湖らしい強靭そうなその躯体は50cmを少し超えて、それはもう勇壮そのものだった。ロクマルとはいかないが、そんなことはもうどうでもよくて、この魚が釣れてくれたことが一緒に乗っていた俺でさえありがたかったから、おかもっちゃんの嬉しさたるや容易に推し測れようというもの。Barbarian MaskNivaも心なしか誇らしげに笑っているように見えた。

     それにこの日のお昼頃には、あの電気ショッカー船を久しぶりに目の当たりにして、なんだかとても意気消沈していた二人だったので、これには本当に救われた。それにしてもブラックバス釣りを楽しみに来ている我々の目の前で、その我々の税金を使ってブラックバスを駆除するってのもね、あの仕事している人たちも決して気持ちのいいものではないと思いますね。さして有益とも思えない、と言うか、ほとんど無駄とも思える行為を、ほんとにこの先ずっと続けるつもりなんだろうか。早く気づいていただきたいもの。そしてもっと生産性のあることに転化すべし。

     さて、生産性が十分にあるかどうかはわからないけれど、次の企画。チェーンステッチの半袖シャツのサンプルが何種類か上がる。チェーンステッチが入るとね、これがグッと雰囲気が増す。レギュラーカラーのシャンブレー(上の画像)とオープンカラーのワークシャツあり。

     見ての通りシャンブレーの霜降り状の風合いもなかなかよろしい。ワークシャツのストライプのやつなんて、チェーンステッチが入るとまるで昔のコカコーラのユニフォームみたいで素敵。昔のコカコーラのユニフォーム知ってる人もそうはいないと思うけど。

     そしてようやくカラーリングにこぎつけた「いるかフェ」。これってもう12年以上も前のバスウッド・ブランクということにちょっとした問題があって、ブランクが既にあるにもかかわらずとっても手こずっていたのである。でも、ひとつ利点もないではなかった。いわゆる虎目とか虎杢といわれる模様(ヴィンテージギターで珍重されるあれです)が表出した個体もわずかではあるものの発掘出来たから。ちなみに虎目は最近メインで使用するアユースには見られず、ルアーにおいても貴重といえば貴重。

     数に限りがあるので、これはオンラインストア限定のTSBにしました。今回は虎目を強調すべく波のエラも入れずシンプルに。ただし全部が全部バキバキの虎目とはいかず、ものによってはうっすらという場合もあるのでご了承を。

     ここ数日はそのいるかフェのレギュラーカラーのテンプレート作成、サンプルのカラーリングに着手しているところ。

     何日か前から突然降って沸いたように聴いているのはアルバート・キング。ファンキーなのだ、これが。タイトルだってI Wanna Get Funky。ファンク・ブルースとはこのことだ。キングもいろいろいるけれど、俺はアルバートかなあ、やっぱり、なんてちょっとしたブルースマン気取りにもなろうってもの。

     歌だって抜群なのだけれど、ギターのフレーズのグルーブ感は際立って素晴らしく、他の人とはまるで違って聞こえる。体が自然と踊るのだ。例えば彼のファンだったというスティーヴィー・レイ・ヴォーン(デヴュー前デヴィッド・ボウイのバックにいた際に、「デヴィッド・ボウイのバックのアルバート・キング」とたとえられたらしい)でさえその点では歯が立たないという気がする。今更ながら再発見。

     あ、そうそう、明日は豆ちよとのコラボレーションTsunami Lures Blend「朝まずめ」「夕まずめ」の今月分のご予約締め切りですよ。ふるってご予約下さい!

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