Tsunami Times
暮の秋
暮の秋というには少々遅過ぎるのか。しかし、このところの遅い季節の移ろいを考えるなら、それも妥当かなと思える今日この頃。こうも劇的に視覚でそれを感じるのは、生まれて初めてかもしれない。
ここ1週間ほどでようやく木々が色づき始めた。それはもういきなりのことで、あれよあれよと言う間に進むのだけれど、それに遅れること数日で今度は落葉が始まった。うちの屋根はガルバリウムで、その下の断熱材が丸出しであるので、雨が降ると異様に五月蝿い。それには大概慣れたのだけれど、この頃は風が吹くと、まるで雨が降るみたいに落ち葉が降る音がする。そのくらい激しい。
積もると言うのが相応しいほど地面に落ちた葉も、これはこれで美しい、なんて、ここに来て初めて思った。儚さというのは、それがあるからこそ尊くて、だからこそ美しいのだと思い知らされる。
そう言えば、親父が逝ったのは十年前の秋だった。今年は夏に田舎の仲間内の一人と、そして高校時代の彼女が逝った。そのせいか妙に寂しい秋ではある。彼らの葬式には行けなかったけれど、先週末には徳島の実家で親父の十年目の法事を済ませた。思いもよらなかったけれど、そうしたら思いの外ほっとした。ただ、その後なぜだか体調がすっきりしない。
体調はそう酷くはないのだけれど、Fishing Safariの撮影を直前まで迷ってキャンセルしてしまった。結構体力を使うんですよね、特に淀川なんて。寄る年並みと言われればそれまでだけれど。
疲れはこのところのリリースラッシュにも寄るところがあるのかもしれない。アパレルは以前からサンプルを作っていて、タイミングを図っていたものを大放出。慌ただしいけれど、しかし、うちにしてはこれでもなんとか計画にそってやれた方だ。いつもならいくらかは翌シーズンに繰り越してしまうから。実を言うと、今年リリースするアパレルのいくつかも、前のシーズンに準備していたものの繰り越しなんである。
それだけに結構充実したラインナップではあると思っている。詳細はどうかオンラインストアを覗いてやって欲しい。12/8(日)にご予約締め切りのがいくらかあります。
少し前にご予約いただいたものも、そろそろ入荷するので、それについても多くはないものの在庫があります。これまたオンラインストアをチェックよろしく!
アパレル以外では、Tashinami 60Mを先週リリース。しかし、これの動きがあまり良くない。56Mの方は初回リリース分が早くに売り切れてしまって、今秋には早くも再生産とあいなったにもかかわらず。
いったいどうしてか。今まで6フィートはTsunami Luresのスタンダードな長さだと公言して来たはずなのに、これってもはや理解されないことなのだろうか。カヤックでの釣りが一般的なものになったということは要因かもしれないですね。6フィートは5.6フィート以下に比べると、カヤックでの取り回しが良くないだろうから。
しかし、それでもあくまで基本は6フィートと言っておこう。なんならそれより長いのが基本だと主張する人もいるくらいなのだけれど、1ozクラスのプラグをオーバーヘッドでキャストするに際して、テイクバックでのロッドの曲がりとその反発を感じとりやすいのはやはりこの長さなんです。しかもTashinamiはグラス素材なので、そういうキャストフィールを身につけるにはうってつけ。加えて、魚とのやり取りの醍醐味を最も味わえて、しかもバレ難いのはこの長さだと思っている。まあ、そういうこともあって、多少はうけないかもしれないことも想定しつつ、あえて今この長さを出したんですけれど。
来年は実を言うと短いのを出す予定もあるにはあるが、あくまで基本はこの6フィート。だからたまには基本に立ち返ってみて欲しいのです。そう言う気持ちになったらぜひこれをどうぞ。と言うか、たまには立ち返って欲しいなあ。ということで、売れないなら、売れるまで在庫します、当たり前だけれど。ちなみに好評のTashinami 56Mも少しですが在庫あります。
来週には、早くに売り切れてしまった、Sonicmasterのオリジナル・フラット・ノブ・ハンドルの再販予約を開始します。五十鈴にカラーを別注したギターペグのような形状のフラットノブがポイント。異物が混入した本物の琥珀みたいな、これぞまさにアンバーと言えるカラーが好評。
ショートでもなくパワーハンドルのようにロングでもない、経験値から導き出された絶妙なサイズ感の波型のプレートも実は特徴的。例えば、オールドABUのショートハンドルはなんとも言えず粋なのだけれど、実際に使うにはちょっと短か過ぎる。しかしパワーハンドルはどことなく無粋だ。そう感じるあなたにはわかっていただけるサイズでしょうか。パワーハンドルは力はかけやすいのだけれど、早く巻けるわけではなく、むしろショートの方が早く巻けるのはご存知の通り。このハンドルはその力加減のバランスが絶妙で、なおかつデザイン的にも美しいと思っています。
そしてそして、いよいよ、ガブっと喰らいついてくれる魚は決まって40up以上という、このプラグも来週早々にご予約受付開始。次のリリースなんて何年先になるかわからないので、うちの中では最も釣れ線のうちのひとつであるこのプラグは、一つと言わず二つ三つと手に入れるのが得策です。
浮力が必要なSlapphappyシリーズの中でも、このShad Jは特にそこが肝心。と言うわけで、比較的軽いアユースを用いて、しかも削り上がったブランクから重たいものを実に1/3ほどはねてあります。どのプラグの場合も特に重いものはある程度はねてしまうのだけれど、今回はそこをよりシビアにしました。
さらに前回と違って、最近のTsunami Luresの流行りであるチンフラップを装備。それもあってウェイトバランスも変更してあります。また、テールには浮力とアクションを考慮してエジーニョプロップを装着。
もちろん今回もオンラインストア限定はRelic TSBです。
魚のサイズを選んで取れる、Slapphappy Shad Jは来週早々にご予約開始。
そう言えば、明日12/8はジョンの命日。今年のジャンボリーで元木は、彼の曲Strawberry Fields Foreverを初めて歌ってみた。この曲はアルバムには収録されていなくて、ペニーレインとの両A面シングルとしてリリースされたもの。
ただ、元木にとってこの曲は高校の時に手に入れた青盤で聴いたのがおそらくは最初。その頃から四十くらいに至るまで、それほどマニアックなビートルズファンではなかった元木だったけれど、この青盤は親から譲り受けたテクニクスのステレオセットのターンテーブルに当時はよく載せたものだ。そんなわけで、ここに収録の曲は昔からよく口ずさんだし、よく覚えている。これが俺にとってのビートルズだったと言ってもいいのかもしれない。
そうそう、実は来年1/25(土)に、Koronamuzikに誘ってもらって大阪でライブをやることに。元木が歌うライブとしてはジャンボリー以外ではほとんど初めてに近い。よろしければどうぞお越しやす。
24/12/07