Tsunami Times

  • Sonicmaster !

     月曜日、遂にやってきた懸案の大腸内視鏡検査の待ち時間があまりに暇で、Englishman in New Yorkを覚える。午前中から大量の下剤入りの水を飲みつつ、トイレに座り込みつつ、iPhoneでNothing Like The Sunに収められたその曲を聴きながら、小声で歌いながら。この曲は前に例のタイニーディスクコンサートでスティングとシャギーを見て感化されて以来、いつか覚えてみようと思っていたもの。おかげで待ち時間が少し充実したものになった。

    Sting / …Nothing Like The Sun

     歌詞について深掘りすると、さらに感激してしまうのはパターンで、この曲も例に漏れず。シンプルなコード構成でこんなにも豊かな表現の出来るスティングにも改めて敬意を覚える。歌詞としては要するに、俺でもわかるBe yourself no matter what they say.と言う部分につきる。そういうことですよね、やっぱり。アルバム当時よりも歳を重ねた最近のスティングにより説得力を感じてしまうのは俺だけだろうか。尖っていたポリス時代もかっこいいけれど。

     そう言えば若かりし頃、同じくここに収録のLittle Wingのハイラム・ブロック(最近彼が亡くなっていることを知ってちょっとショックでした)のソロをコピーしたりもしたな。このカバーは数あるLittle Wingのカバーにあっても秀逸だと思う。

     翌日そのタイニーディスクコンサートに合わせて車中で歌ってみる。もちろん決して自分が上手でないことは知っているつもりだけれど、それでも小さな充足感を感じる。そう、俺は日々そういう小さな充足感の中で生きているのです。

     ちなみに検査は特に異常なしでした。これまた小さな幸せ。

    Sonicmaster MM-4600SD 5th / TSB

     ところで、これまた遂に届いたソニックマスターのサンプルだ。明日には全数入荷の予定。これにサムバーとエンブレム、TSBの場合はパーミングガードをこちらで取り付ける。

    Sonicmaster MM-4600SD 5th / Wearing Paisley – Mystic Silver

     昔あったよね、こういうの…なんて思わず出しゃばる通でさえ、完膚なきまでに黙らせてしまう、かつてないリールがソニックマスターである。精緻な五十鈴工業の仕事ではあるものの、構造はいたってシンプルなローテク、にも関わらずここまで個性を発揮出来ているのは我ながらまるで奇跡に近い。

     今回は従来のソニックマスターにない大胆な試みがある。それがレーザーでサイド全面に模様を彫るということ。当初からやりたかったことではあるけれど、ようやく実現に至った。ペイズリーと言ってもオリジナル、つまりは元木が描いたものだから、これがまた珍品には違いない。30年後くらいにブームが再来したら希少価値必至か。

    Sonicmaster MM-4600SD 5th / Wearing Paisley – Ebony Black

     今回はこのWearing Paisleyのミスティックシルバーとエボニーブラックの2色に、前回圧倒的に数が不足したTSBを加えて全3色をラインナップ。TSBはお値段据え置きの60,000円(税抜)、ペイズリーはコストがコストなので70,000円(税抜)ということに。

     近日ご予約開始。ご予約締め切りは月曜日頃となる予定。詳細はオンラインストアやここに一両日中にUPします。

    Sonicmaster MM-4600SD 5th Online Limited / Wearing Paisley – Mystic Gold & Pale Red

     そして今回はさらに初めての試み、オンラインストアリミテッドがあります。サンプルカラーを2色各2台余計に作ったもの。これは土曜日の午前11時にご予約開始の予定で早い者勝ちのつもり。こちらは75,000円(税抜)です。詳細を決めたら同じくオンラインストアやここに一両日中にUPします。

    Swing Gecko / WH-R

     その前には只今ご予約受付中のSwing Geckoも。

     オンラインリミテッドのWild Thingについての思い入れを先日書いたので、他のパターンについても何かしら書いてみることにする。もちろんそれぞれそれなりに由来というものはあるから。

     まずは画像のWave Head Redから。これにはいくらかの変遷はあるものの、レギュラーカラーにもこれまでに度々登場してきた人気パターン。レッドヘッド、あるいはヘッドカラーっていわゆるスタンダードなパターンだから、ただのそれではなくてうちらしいということを模索するうち出来上がったのがこれだ。他のスタンダードなパターンにも言えるけれど、それを踏襲する際(あまり多くはないけれど)には常にそういうことを意識するのがうちの場合のカラーリング。だからこそこうしてまた塗ることがある。

    Swing Gecko / WH-R

     レッドとアイボリーの継目が波形、これだけでかなりの手間だ。塩ビのテンプレートを作って吹く場合と、カッティングシートを出力してマスキングする場合があり、現状はカッティングシートがほとんどなのだけれど、正確に塗れる分、一枚一枚貼らなくてはならず、また糊残りがあったりもしてテンプレートよりは手間がかかる。

     アイボリーの部分のサイドには青貝粉を振りかけてアクセントに。こういう場合、ラメが一般的なのだけれど、そこはそれ天邪鬼気質ではある。これにはもちろん貝独特のフラッシングも期待してのこと。

     さてさて、Swing GeckoにしろSonicmasterにしろ、とにかくたくさん出荷して年末を乗り切りたいものだけれど、はてさてどうなることか。これを売らなければ津波ルアーズに正月はない。小さな充足感に束の間浸ることは果たして。

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