Tsunami Times

  • 釣れる理由

    夕まずめの57cmはちょっと感動的。ルアーはSlapphappy Shad J

     おとといは年に一回あるかないかのお祭りデー。ただし、アフタースポーン特有の食いの浅さが要因か、バラした数の方が多くて、しかもそいつらがデカかったというのは嬉し悔しい結果ではある。ちょっとした自慢話なのでまたも感動巨編です。

     この日同行したのは、言わずと知れたT字路sの大きい方=しのちゃん。6月に琵琶湖に行きたいとの彼の希望に、あらかじめおそらくこのくらいの時期がいいんじゃないのと知らせておいて、さらにはその週の中でも一番釣れそうな日を選んでの釣行。

     しかしである、先日もお伝えしたように先々週あたりから琵琶湖南湖はトップウォーターでの釣果がピークだったようで、先週末ともなると明石ガイド曰くひとつのパターンが「終わった」との宣言も飛び出す始末。実際、元木が訪れた木曜日はもはや終盤でようやく50cmを1本、ドクター柏木と行った土曜日は58cmを1本は取ったものの、バイトはかなり乏しく、なんだか本当に終わったようにも見えた。

    大活躍のSlapphappy Shad J Keep Cast 金グリモデル

     そんな不安はあるものの、それでもあくまでそれは一つのパターンが終わったという仮説を立て、この日には数は少なくとも新たな大型の魚がシャローに入る、あるいは先週先々週とは違うシャローに魚が入る、もしくはシャローに残ったアフターの魚が食い始める、少なからずそんな期待を寄せての釣行となった。風の予報と照らし合わせて、時間的には朝まずめよりもむしろ昼まずめ、それから夕まずめになだれ込む算段で臨む。

    同じく津波ルアーズの琵琶湖の定番=Slapphappy Shad J

     釣り初めこそ「やばいかな?」という予感はなきにしもあらずだったものの、先週釣れていたところとは別のスポットに入ると、不意を突くひとつのバイトで不安が一蹴される。そこは木曜日はルアーを通すと泡が残り、さらに土曜日には濁りがかなり入っていて、奥へ入るにはモチベーションが下がるほど水のいわゆる「悪い」ところだった。それでも昨日は少しだけ回復の兆候が見えたので奥へとボートを進めてみた結果が上の画像の55cmの魚。

     ゆっくり巻くSlapphappy Shad J に3度食ってきたものの、そのどれもがつつくようなバイトで、食いたいけどスピードがついていかないといったようなアフター特有のもの。これがまあよくフックアップ出来たもので、これはもう化学研磨のドスカクタスならでは。それにしてもかかっていたのは皮一枚で、ファイト中はかなりのスリルだった。真昼間の出来事である。

     考えてみれば、その前に同じくこいつをつついたあの「ツン」っというバイトもそこそこの大きさだったのではという推測もあながち間違ってはいないかもしれない。

    Slapphappy Shad Mini DP – High Appeal

     その後、同じエリアでしのちゃんが買っていただいたばかりのSonic Hornでバイトを得るも、油断大敵的ありがちなふるまいでフックアップできず。しかし、このバイトと他に目視できた魚とで、このエリアには魚が入っていることを確信する。

     一旦ここを休ませておこうと、次のエリアへ。ここは木曜日にも土曜日にもチェックしなかった場所。ここで俺がSlapphappy Shad Mini DP – High Appealで50近いのを引き出す。しかしジャンプ一番バラし。これでわかるのは、このくらいのサイズの活性は決して低くはないと言うこと。

    Sonic Horn

     案の定、同じ場所でしのちゃんに待望の1本目。ルアーはブランニューSonic Horn。「これで釣りたい!」といたくお気に入りの様子のSonic Hornで、しかもズボンっと勢いよく出た会心の一撃だった。

    Sonic Horn カラーはBG。ブルーギルの多いエリアにベストマッチ?

     そのままの流れで打ち進む。このエリアが最もギルが多い。というわけで投入したしのちゃんのWhippy JLをまたしてもグッドサイズが襲う。

     ちなみにT字路sはこの日、最新作のアナログの発売日で、急遽プロモーションの仕事が入ったそうなのだけれど、すでにしのちゃんはこっちに来てしまっていたので、相方のたえちゃんはオファーに応えて「篠田は琵琶湖に行ってます」と言って一人で赴いたとのこと。めちゃくちゃいかしていると俺は思う。ちなみにちなみにその返答に事務所も「そりゃ、しょうがない」と言ったとか言わないとか。

    しのちゃんとブラックバスとWhippy JL。この無塗装のプロトをなぜか気に入って使っているしのちゃん。これまたブルーギルの多いエリアにベストマッチ。メキシコで活躍したこいつの小さいののプロトを元木は投入するもバイト得られず。

     その後、ほぼ同じエリアで今度は元木のSlapphappy Beaverに「パク」っとこのルアーに特有のバイト。伝わる感触がこいつがそこそこデカいと言うことを伝える。その瞬間、大きなバケツのような口をこっちに向けてエラ洗いしたかと思うと、急に重みは消えてルアーだけが残る。おそらく60弱はあったはず。やっぱり食いは浅い。痛恨。でもまだまだ日は高い。

     しばらくその辺りを舐め回すも反応なく、いよいよ夕まずめにかかろうかというタイミングで最初に反応のあったどシャロースポットへ。

     ここでしのちゃん、満を持して得意のビーバーを投入。すると間もなくこいつに反応がある。例によってしょぼいバイトをフックアップしてファイト。50はありそうな魚体だったのだけれど、なんと船際でネットに入れるのを俺が失敗した途端にジャンプしてフックアウト・・・。これまた痛恨。

    Whippy JLは今ひとつ人気がないけれど、持っていて決して損はないプラグ。ジャークとただ引きが基本。

     少し後、水深50cmもないシャローで今度は俺のSlapphappy Shad J に反応。これを難なく巻き合わせしてフックアップ。そして追い合わせを入れる。しかし、またしてもバケツの口がこっちを向いた途端、感触がなくなる。さっきのと同じくらいか、さらにデカいと思われただけに、これは本当に悔しかった。それにしても間違いなく食いは浅い。元木がバラした3本中2本は、最初の1本よりほぼ確実にデカいと思われたので、これで終わってしまうのはなかなか切ない。

     風もあることだし、風裏のここでしばし粘ってみるも反応なく、移動か否かの選択を迫られる。ここでiPhoneの天気予報で風を見ると、どうやら風向きが変わりそうで、まず間違いなくその変わり目には凪がある。風の変わり目のタイミングは経験上チャンスなのだ。

    同じく津波ルアーズの琵琶湖の定番=Slapphappy Beaver

     と言うわけで最初にしばらくやった、先週まで調子の良かったエリアへと帰る。ここは年中デカいのをストックしていて、実は去年、元木が60upをSweepy J DPで釣ったのもそのエリアだから、おそらく出ればデカいはず。

     ここには夕方からカヤックでご出船のドクター柏木も浮いていて、しばし言葉を交わす。すると案の定、風が止む。神風ならぬ神凪にここを先途とキャストキャスト。

     しかし無情にもバイトなく、時間は過ぎる。もう10分もすると完全に暗くなると思われ、「上がろう」かとの言葉が喉元まで来たその頃、元木のアクションするSlapphappy Shad J に例の地味なバイト。巻き合わせると途端にぐいぐいロッドを絞る。んん?デカいか?追い合わせをくれて、ウィードもあるので半分は強引に、しかしなるべく丁寧にやりとりし、やがてしのちゃんの構えるネットに収まったのは、ヴァージンにも見えるほどヒレピンで綺麗な魚体の57cmだった。

     バラした魚に悔いは残るも、締めくくりにはこれ以上ない魚ではある。元木にとっては感動的ですらあるし、しのちゃんでさえどうやらちょっとした感動を覚えた様子だった。

     それにしても「全部釣ってたら凄いことになってましたね」とはしのちゃん。そりゃそうだ。55up4本と45up1本、下手したら中には60まで混じっていたかもしれないんだから。いやはやスーパーデーではある。

    Dos Cactus

     それもこれも、あの大型の「ツン」っというバイトを誘発してしまうスラップハッピー・シリーズのおかげで、これらがなければおそらくこの釣果はなかったはず。先日も書いたように、よたよたとまさにパンチをくらったボクサーのような動きとユニークなサウンドを備えたそれがどんな魚にも効く。これでしか釣れない魚がいる。

     さらには、その浅いバイトをフッキングしてしまうドスカクタス、こいつの存在を忘れてはいけない。スプリットリング+化学研磨トレブルフックにも迫る勢い。さすがにそうはいかないまでも、その代わりにスナッグレスという効用はあって、琵琶湖のようなウィードエリアのトップウォーターゲームには威力絶大なのだ。

     スラップハッピー・シリーズとドスカクタス、おそらくそのどちらが欠けてもこの釣果はなかったと思う。その前後に琵琶湖に出かけた人たちからは、今のところどうやら好結果は聞こえて来ないし。

    ドクター柏木。なんだかまるで好々爺ですが、めちゃくちゃタフです。

     最後はドクター柏木御一行と晩飯食って締めくくり、長くハードで、しかしこの上なく楽しい1日は終わるのだ。琵琶湖、やっぱり楽しい。

一覧へ戻る