Tsunami Times

  • 自由の翼

    240

     車検の上がった愛車240を引き取って帰る道すがら鳴っていたのはニール・ヤングが歌うLong May You Runだった、なんて言うのはちょっと出来過ぎ。だってこの曲はニールが生まれ故郷のカナダからロスへと出て来る際、乗っていた最初の愛車のことを歌ったものなんだから。

    僕らはいつも一緒だった
    トランクに詰め込んだ思い出は今も忘れはしないけれど
    嵐の中で必死だったあの頃から
    ずっと走り続けてる

    走り続けていこう 走り続けて
    いろんなことが変わってゆくけれど
    クロームのハートを太陽に輝かせて
    ずっと走り続けて

    Long May You Run / Stills-Young Band

     訳詩を探した先の誰だかわからない人が愛車について書いていたのは、それがある種「自由の翼」だったということ。そう、まさに俺にとっても若い頃の車って「自由の翼」だったのだ。ひどいポンコツではあっても。今の若い連中は車を買わない傾向にあるのだそうだが、あの頃、僕らにとっての車は車以上のものだったのだよ、ほんとうに。

     そうそう、若い頃と言うと、こんなことがあった。先日の魚矢の受注会で話した魚矢のよつあみ(魚矢のラインブランド)担当のとある社員さんが、トップウォーターにやけに詳しいので、そこのところを突っ込んで聞くと、どうやらその昔、若かりし頃(おおよそ20年足らず前と言うことになる)、ATG(ガウディというブランドでトップウォータープラグを作っていた森田さん率いる、アート・タックル・ギルドというトップウォーター・ルアー・ビルダーの怪しげな集団。この私も中心的メンバーだった)の第一回合宿に参加したことがあるくらいのトップウォーターファンだったのだそう。だからもちろん俺のことも知ってくれているし、その昔俺が連載コラムを持っていたスポーツ&フィッシングニュースなんかも愛読していたとのこと。

     そのコラムを読んで、そこに俺が紹介したキャレキシコのアルバムやタランティーノ映画のサントラ「フェティッシュ」なんてマイナー極まりないCDなんかも「買ったんです」なんて聞くと、これはもう嬉しい限り。そんなわけで思わずよつあみのリーダーを買ってみたりなんかして。

     そういうことがあるってなんだか素敵。俺みたいなやつが文章を書くということにも意味がなくはないと思える。雑誌がどんどん廃れる傾向にあって、SNSが全盛の今だから、ブログさえどっかに行ってしまいそうではあるものの、文章を書くことが決して嫌いではない俺なので、せめてこのブログくらいは続けていたいと思うのだけれど。

    Vibrotone Tandemのスピナーワイヤーパーツ

     そんな受注会の後、いつものごとく琵琶湖へ繰り出すアカシ(アカシブランド)とタカハシ(レスイズモア)を尻目に俺が勤しんでいたのは、こんなパーツのワイヤー曲げに鑞付け。ぐるぐると巻いている部分だとかはもちろんワイヤー屋さんに外注しているものの、それ以外のフラップを入れたり、その前後を曲げたり、鑞付けしたり・・・と、なかなか面倒な作業なのだ、これが。これは実はもうすぐ新発売のVibrotone Tandemのパーツ。このプラグについては近日中に詳細を発表できると思うので、もう少々お待ちあれ。

    T字路sと

     琵琶湖の釣りをキャンセルしたのにはもうひとつ理由がある。それが昨夜のT字路sライブ。ニューアルバム「Pit Viper Blues」のツアー中の彼らに会いに行かないわけにはいかなかったので。それにしても相変わらずパワフルな彼らの勢いは、このところの止まるところ知らずだから、なんだか嬉しい。

     そんな彼らのライブ終わりで強奪して来たのは、T字路sの小さな方、Vo.&G.たえちゃんのピック。実はこれで次のよからぬ、いやいや楽しいプロダクトを企てているところ。

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