Tsunami Times

  • 亀山の魚がスケールに乗る時

    元木様

    こんばんは。

    昨日、亀山ダムにてファーストウッドスケールフィッシュを釣り上げることができました。
    しかも亀山としては大きな魚、興奮と感動のあまり膝が震えて身体が思うように動かず、撮影に苦労してしまいました。
    ウッドスケールでの計測&撮影の儀式を行うことができ、かつてない満足感に包まれています。
    そして、スラップハッピービーバーのスラッガーぶりには改めて心底驚いた次第でした。
    ありがとうございました。

    以上、投稿用の文章でございます。


    とのメールが、例の松澤さんより冒頭の画像ともう一枚の画像とともに送られて来たのは一昨日のこと。「以上、投稿用の文章でございます」とある通り、実はこの後の文章の方がはるかに長くて、リアルで、読む人によっては感動的。

     亀山ダムと言うと、関東屈指の厳しいレザボア。その難しさから、ここで釣れるルアーは売れるとか売れないとか。そんなレザボアに毎週のように挑む彼のことを知っているから、そのドキュメントを読んで元木の場合はすんでのところで涙をこらえた。T字路sのしのちゃんから松澤さんが「デカいの釣ったらしい」との情報を事前に得ていたので、このメールを首を長くして待っていたせいもあると言えばあるが。

     たった(と言うと語弊はあるが)1尾の魚にまつわる、その人生観にまで波及するひとりの大人の感慨は、とてつもなく素敵なのである。そしてそこに関わることが出来るのはルアーメーカーとして、一個人として幸せ。

     というわけで、これを伝えるべく、そして非公開のつもりの文章を公開する許可をもらうべく彼に返信をする。気前よく許可をもらったので、それをGalleryに掲載しました。感動巨篇をほぼ全文。ぜひどうぞ。

     時を同じくして三重のミナミくんよりメール。彼もここ最近Tsunami Luresのライフスタイルに感化されてしまっている人のひとりである。240という車(元木の愛車でもある)を探していてたどり着いたのがTsunami Luresだったという変わり種だ。ちなみに奇しくも松澤さんの愛車は同じくVolvoのこちらは940である。

    「28歳まで定職につかず、気づいたら自然や芸術を意識しながらヒッピークズレみたいに北海道から屋久島まで、牧場やったり、絵画売ってみたり、ペンションやバーで働いたり、舞台装飾や空間芸術、遂にはアルプスの山小屋まで、思いついた事はなんでもやってみたくて。人生は旅や!なんて自分探しじゃないけれど」とはそのメールの抜粋で、彼と同い年のランクル40(上の画像)を相棒にそんな風に歩んだ20代の後、今じゃ家族を築き、定職も得て現在に至る。ただ何か足りないピースの存在を感じていたと。

     松澤さんの、ミュージシャンを志しやがて楽器屋のオーナーになった、というような経緯を聞くにつけ、ミナミくんの場合のそんな青春を聞くにつけ、お二人とも人一倍人生をあがいてきたことは明白。そしてバンドマンを目指し、しかしやがてどういうわけかルアーを削り始めた俺の場合も同じく。そうそうT字路sのしのちゃんだって同じかも。彼の場合は多少遅咲きとは言え、最初に志した音楽で成功してはいるのだけれど。

     ともかくTsunami Luresはそういう人たちの共感を呼ぶらしい。どうやら我々は同じ穴のムジナならぬ同じ種類の不良のようだ。どこか外れていたり、欠けていたり、文字通りそういう類の不良。例えば敢えてトップウォーターなんていう類の不自由な釣り方を選ぶ側の人たち。困ったものだけれどしょうがない。中でもTsunami Luresなんて良くも悪くも異端を思わずチョイスしてしまう異形(いぎょう)の輩、俺にとってはそれは愛すべき存在でもある。

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