Tsunami Times

  • ドクターとスラップハッピー

    50 cm ルアーはSlapphappy Beaver

     最近の釣りをまとめて。長いよ。

     魚矢受注会のちょい前に挑んだ午後の淀川は、あえなく・・・。タイミングを計ったつもりだったのにちょっと不思議なくらい反応がなく、これには首をかしげるばかり。

     しかし、午前中に行った本山にはどうやら反応があったようで、しかもレンタル中のうちのNiva Rant DPのプロトにも、バラしはしたもののごっついのが食った模様。午前と午後でこうも状況が変わるその要因にもしやと思い当たる節があり、調べてみるとそれがその通りだったのは後でわかったことでした。どこでもそうなのだけれど、淀川って特にタイミングが大事と悟る。

     その受注会の後、琵琶湖で明石ガイドサービスのバスボートにリムズ(Less is Moreの略は本当はこうして欲しいらしいが、関西ではレスモというのが一般的らしい)高橋と乗る。

     前週までは明石曰く「どハマり」と好調だったものの、その淀川が沈黙する要因ともなった同じ事象をきっかけに状況は日に日に下降線を辿る。琵琶湖と淀川ってご存知の通り繋がってますから。その下降曲線の底の少し手前あたりが3人でバスボートに乗った日。

     その上、魚のいる場所はどうやら知れ渡り、連日叩かれていてスレ気味で、食い渋るアフタースポーンの釣り方はわかっていても難しい、そんな状況下。逆に言うとこれって腕の見せ所ではある。

     そんな中、口火を切ったのは、日々湖上に出て状況も釣り方もわかっていらっしゃる明石ガイドだったのはもちろんだ。最近話題のギルトップで立て続けに58cm×2を取ったのはお見事と言う他ない。

     あっけにとられるばかりの高橋と俺が試行錯誤するうち、無情にも時間は過ぎて午前の部は終了。ランチの後も同じポイントに入ってはみるものの、風は強くなるばかり、しかも見える範囲には5艇も6艇ものボート、ボート。中には前を横切るやつもいる始末で、終わったかに見えたその時、俺のSlapphappy Beaverに出たのが冒頭の50cmだった。いちおう面目躍如。

     その日あえなくボウズに終わった失意の高橋くん、名誉のために書き留めておくけれど、次の日には明石と二人で再度湖上に立ち、さらに厳しくなってゆく状況の中、58cmを取ったのだそう。(ちなみに明石はその日も54cmと流石。)そして遠征最終日の昨日の土曜日には49cmと気を吐いたのだった。

    ルアーはあのダーター

     同じ土曜日、午後から俺は、なんとイベントのため琵琶湖に前乗りしていたあのドクター柏木(最近人は彼を「師匠」と呼ぶのだけれど、俺にはどうもやっぱりドクターではある。俺が吉田幸二を師匠と呼んでいることもあって)をジョンボートに迎える。去年メキシコに同行いただいた玉越御大(このお方の場合は御大)同様、津波ルアーズが始まった20年余り前、この人と同船することになるなんてまるで思いもしなかった。ただ、不思議と緊張も何もしないのは俺らしいのかもしれない。もしくはドクターのお人柄がそうさせるのか。

     まあ、ボート上でのオフレコを含む話の面白いのなんのって、そりゃ腹を抱えるほど笑いました。それにもちろんためになるお話も。そんなドクターはボートひしめく週末の例のポイント(ガイド中の明石もリムズ高橋も同じポイントに浮いておりました)であっさり1本。お見事!

     そうこうするうち風も強くなり、一度風裏に逃げて再度同じ場所に戻ったのは日暮れる寸前くらいか。何もないまんま日が暮れてそろそろ上がろうかという頃、ボウズの俺を気遣ってか「風が少し収まったし、もうちょっとだけやるでしょ」とのドクターの言葉に甘えてひと流し。ちなみにその時間帯も見える範囲に数艇。

    58cm ルアーはSlapphappy Shad Mini DP – High Appeal

     なんかの拍子にドクターのルアーが外れて飛んだとのことで、そいつを取りに行こうと竿を掲げて自分のSlapphappy Shad Mini DP – High Appealを早まき回収中、結構ええ音するななんて思うか思わないかのその瞬間、周辺に響き渡るような水を割る音。見事にフックアップして、ひとしきり抵抗した後、ドクターの構えるネットに収まったのが画像の58cmだった。これにまた2人して大笑い。

     いやはやほんとに面白かった。その後はすぐに上がって、ドクター周辺の皆さんが結集してキャンプする公園で飯食って、ギター弾いて大盛り上がり。楽しい夜をありがとうございました。

    ルアーはSlapphappy Shad DB – High Appeal

     ところで、琵琶湖のアフタースポーンに臨むルアーは、今年はポッパーやダーター系を主体に考えていたのに、思わぬ状況の悪化でそれらに反応がなく、色々試した挙句にいつものSlapphappyシリーズで釣るというのは我ながら興味深い結果ではあった。

     Slapphappyシリーズって決してきびきびとアクションはしないし、また決して早く引けるライブリーではないのは、使っている皆さんにはご存知の通り。どっちかというとよたよたとまさにパンチをくらったボクサー(Slaphappyにはそういう意味がある。その場合の綴りはSlapphappyではなくpがひとつ少ないslaphappy)のような動きが特徴。それが実は活性の低い魚にも効くということを、今回もまた確信した。そういう魚にはきびきびとしたライブリーでは歯が立たないということがままある。

     ただ、きびきびとアクションして早く引けるライブリーが活躍する場面ももちろんある。活性の高い魚を効率よく探して取りたい時にはこれが重宝するのだ。活性が高いと、深いところから、あるいは少々離れたところからもこれが魚を呼ぶことがある。ま、これには少しスローなSlapphappyシリーズだって効くのだけれど、早さという点で効率が違うということ。

     うちの場合、同じライブリーにいろいろバリエーションがあるのはまさにこういう理由で、ちなみにきびきびとアクションして早く引けるライブリーは例えばDjango P。これを硬質発泡ウレタン化してリファインしたのが、次回リリースするDjango P del Blancoです。

     実はご存知の方はご存知のようにSlapphappyシリーズのバリエーションの中にも「早さ」に違いがあって、最も遅くよたるのはおそらくShad J、その次がBeaver、早いのはShad DB – High Appealに最も早いのはShad Mini DP、中でもHigh Appealだと思う。もちろんそれらはサウンドも異なる。バリエーションにはわけがあるのです。

     「使い分けが重要な必須プラグ」とマニア谷口が言うのはだからこそ。それがわかるとなお面白いはず。

     例えばShad Mini DP – High Appealなんかはちょっと竿先を上げると、潜ることなくさらに早く引けて、しかもうるさくなる。これが俺がレジェンダ・エン・バモノスの最終日に、少し竿先を持ち上げて早めにきびきびを意識してアクションさせている理由であることをわかる人が、はたしてどのくらいいるだろう。あの時は活性が決して低くないことがわかっていたから。

     今回の58cmも結果的にはこれが功を奏したということになる。竿先を上げてと言うよりはほとんど立てた状態で極限の早さで巻いたというのは、まるで魚を釣ることを意識していなかったにせよである。そいつにアフタースポーンの体力を回復するべくあまり動きたくない、しかし食い気のあるデカいのが、リアクションバイトしたってことのはず。

     なんだかまたもいろいろと勉強してしまったこのところの釣りである。

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