Tsunami Times

  • イレクターズキャンプ

     いいでしょう、やるなら徹底的にいきましょう。そんなマニアが集うイレクターズキャンプがなかなか刺激的だ。時代を見紛うような光景は下手なアミューズメントパークよりよっぽど面白い。

     ジャンボリーと同じ会場で開かれたのだけれど、それとはまるで違う雰囲気がそこにはあって、うちなんかは気圧されそうになりながらどうにか耐えるのである。実のところは皆さんそんな風にしのぎを削っているのでは、と思ったりもするのだけれどどうだろう。

     そうやって大真面目にやるのが大人の遊びか。その点では釣りも同じ。

     キャンプのイベントなんだけれど、そこにはやっぱり車が大きく関わっていて昨今の車離れとは一線を画す、そういうムーブメントが未だ生きている。俺はますます車が欲しくなった。240だって相当にいいのだけれど、乗ってみたい車が他にもあって、それがまたぞろ頭をもたげる。

     車に限らずレトロなツールには何かしら魂のようなものが宿っていて、それが今もエッジとして輝きを放つ。今にだって今だからこそ効率や経済性に溺れることのないそういうツールが必要だと思う。昔に負けない未来への布石のようなもの。

     そんな空気の中で飲んだからかどうか、コーヒーも俺の下手なアウトドア料理も旨かった。

     そんなことを知ってか知らずか、思いっきり遊んでいた子供たちもいつかやがて思い出して、彼らも道具選びに興じてしまうのか。それとも馬鹿な大人と鼻で笑うのか。

     魂が宿っていた時代の空気が週末のあの瞬間だけは生き生きと色味を蘇らせていた。それはセピアに褪せて、たちまちどこかにとんでいってしまいそうだったけれど。

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